過去ログ - 少年「鯨の歌が響く夜」
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26:名無しNIPPER[saga]
2015/08/15(土) 12:40:39.41 ID:pNjZTrFg0
……来て。

あの場所で待ってるから。

少年。


少年「!」バッ

少年(まただ……思い出せない……いや、違う)

少年(誰かが、あの場所で待ってる……!)

少年(二人は……寝てるな、ライト……あった)コソッ

少年(……あの場所に行けば、何か大切な事が分かる気がする)タッ

少年(何だろう、真っ暗な森なのに、全然怖くないぞ、それに何だかよく見える)

少年(……不思議だ、全然疲れない!)

少年(着いた!)


ザザ……ザザ……

少年「波が静かだ……あっ!」

少年(やけに明るいと思ったら、雲が晴れてるぞ!)

少年(あ――)


――ザッバアァアァァン!!


少年「そうか……君だったんだね、僕を呼んでいたのは」


ゥウゥウゥ――フゥウウ――

ウウウウウ――フウウゥウウゥ――

ンンン――ンン――ウウウウウゥウゥウ――

ゥウゥウゥ――フウウゥウウゥウ――


少年(宝石のような夜空の下、真っ白な鯨が、ブルームーンの淡い光に包まれて、繊細な声を響かせる)

少年(その様子があまりにも美しいので……僕はしばらく、瞬きをするのも忘れていた)

少年(時折顔を撫でる風すら、彼女のステージの演出のようにさえ思えた)

少年「……あ」

少年(ふと我に返ると、鯨がこっちを見ている)

白鯨「……」

少年「君が呼んでいたんだね、鯨さん」

白鯨「……」

少年「ありがとう……」

白鯨「……」コクン

少年(突然、強烈な眠気が僕の身体を支配した、しかし)

少年(薄れゆく景色の中、確かに僕は、鯨が優しく笑っているのを見た)


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