過去ログ - いじめられっこ「君にそんな『権利』があるのか!?」
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1: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:48:57.35 ID:f898tp250
俺は生まれてから十五年間、いじめというものとは無縁に生きてきた。
周りの人たちもいじめを許さない正義感のある人たちばかりだったし、俺もそうだと思っている。
だが高校に入ってからは、そうでもなくなった。

クラスメイトの□□がいじめを受けているらしいのだ。

俺がそれを知ったのは入学して三ヶ月目のことだった。
□□がクラスメイトに小突かれたり悪口を言われているのを見かけたのだ。
確かに□□は体も小さく、自分の意見をはっきり言わない男だ。いじめをする人間には格好の獲物だろう。

そこで俺は□□に話を聞くことにした。

「おい□□」
「あ、××くん……」
「お前いじめを受けているだろ?」
「え?」



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2: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:51:05.10 ID:f898tp250
□□はあからさまに動揺する。どうやら図星のようだ。

「おい□□、なぜ黙っていじめを受けているんだ? 何か弱味でも握られているのか?」
「え、えっと、××くん?」
「何かあったら学級委員である俺に言え。わかったな?」
以下略



3: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:52:28.58 ID:f898tp250
次の日、俺は朝一番に□□を探した。
どうやらまだ来ていないらしい。

「まさかもう、誰かにいじめられているのか?」

以下略



4: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:55:27.32 ID:f898tp250
俺はすかさず声をかける。

「おいお前ら何をしているんだ!?」
「え? なんだよ××?」
「□□が嫌がっているだろうが! 放すんだ!」
以下略



5: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:57:51.96 ID:f898tp250
「どうしたんだよ××?」

なんだこいつらは? まさかとぼけるつもりか?

「どうしたじゃない! お前ら□□をいじめていただろう!」
以下略



6: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:58:43.23 ID:f898tp250
俺は校舎に入ると□□に忠告した。

「おい□□、このままやられっぱなしでいいのか?」
「あの、××くん……」
「なんだ言い訳か? そんなんじゃいつまでもこの状況を打開出来ないぞ!」
以下略



7: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 02:59:47.13 ID:f898tp250
それから俺は□□がクラスメイトにいじめを受けているのを見かけたら、徹底的に糾弾した。
□□は大丈夫だとは言っていたが、俺にはとてもそうには見えなかった。
しばらくすると、□□がいじめを受ける場面は見なくなった。

良かった。これで□□は救われたんだ。
以下略



8: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 03:01:18.70 ID:f898tp250
しかしそれからしばらくして、俺はまた□□がいじめを受けている現場に出くわした。
しかも今度は、クラスメイトに蹴られていた。

「おい! お前ら止めろ!」

以下略



9: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 03:02:19.37 ID:f898tp250
すると、いじめっこ達は俺を見て薄笑いを浮かべながら去っていった。
なんだこの反応は?

「大丈夫か□□?」

以下略



10: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 03:03:11.16 ID:f898tp250
二日後。
この日は全校集会のある日であり、生徒は全員体育館に集まっていた。
そして俺は集会の最後に話すことがあると先生方に訴え、壇上に上がらせてもらった。

「皆さんに言いたいことがあります」
以下略



11: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 03:04:12.62 ID:f898tp250
「僕はいじめを許せません。何とかして□□くんを救いたいのです。力を貸してください!」

俺は力一杯叫ぶように訴えた。
□□は恐らくいじめっこの報復が怖くて相談出来ないのだろう、なら俺が言ってやる。

以下略



12: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 03:04:54.23 ID:f898tp250
だが事態は思わぬ方向に向かった。
何と□□へのいじめが激化したのだ。
彼への暴力や罵倒が公然と行われ、持ち物を壊されるなどの被害も出ていた。

「お前ら何をしているんだ!」
以下略



13: ◆BEcuACNawuaE[saga ]
2015/08/01(土) 03:05:51.75 ID:f898tp250
正直言って、俺に何かを言われる心当たりはない。
一体何が起こっているんだ?

そしてそんな日がしばらく続いたある日、□□が学校を休んだ。

以下略



14: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:06:34.47 ID:f898tp250
どうやら□□から俺のことを聞いているらしい。

「□□、クラスの人が来てくれたわよ」

親御さんが□□を呼ぶが返事は返って来なかった。
以下略



15: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:07:37.32 ID:f898tp250
……中々戻ってこない。□□がごねているのか?
そう思っていると、ようやく親御さんが戻ってきた。

「……ご免なさいね、あの子具合が悪いみたいで」
「本当ですか? 嘘をついているのではないですか?」
以下略



16: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:08:14.58 ID:f898tp250
そして俺は叫んだ。

「聞こえるか□□!」
「ちょ、ちょっと……」
「俺はお前が出てくるまで毎日来るぞ! 一緒にいじめに立ち向かうんだ!」
以下略



17: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:09:16.85 ID:f898tp250
それから。
俺は毎日□□の家に通い、辛抱強く説得した。
親御さんに止められることもあったが、俺の熱意に押されたのかある日を境にそれも無くなった。
そんな日々が十日近く続いた。

以下略



18: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:10:54.03 ID:f898tp250
「□□、入るぞ」

俺は声をかけた後、□□の部屋に入る。
久しぶりに見た□□だったが、特に変わった様子もなく、いつもの自信のなさそうな表情を浮かべていた。
これではだめだ、いじめに立ち向かえない。
以下略



19: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:11:36.34 ID:f898tp250
「□□! いつまでこの部屋に閉じこもっているつもりだ!? そんなんじゃ状況は永遠に変わらないぞ!」

俺の叫びに□□は身体を震わせ、目を逸らす。
だがそれも一瞬のことで、直後に俺をまっすぐ見据えていた。

以下略



20: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:12:50.28 ID:f898tp250
…………今□□は何て言った?
俺に立ち向かう? どういうことだ?
ああそうか、おそらくこういうことだ。

「そうか……確かに俺はお前に厳しく接していたからな。まずは俺に立ち向かう必要があるかもな」
以下略



21: ◆BEcuACNawuaE[saga]
2015/08/01(土) 03:14:15.49 ID:f898tp250
「何を言っているんだ□□? 俺は感謝されたくてやっているんじゃない。お前を純粋に助けたいんだ」
「違うね。君は感謝されたくてやっていたんだ。その証拠に、僕のためといいながら僕の話は全く聞かなかった」

□□は言葉を続ける。

以下略



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