過去ログ - 提督「降りしきる>>1の中で>>1と>>1つ」【安価】
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9:名無しNIPPER[saga]
2015/08/01(土) 20:31:30.16 ID:WOfLjiaL0
夕立はストンとまた提督の足の間に挟まるように座った。階段に座っているので提督の一段下に夕立は座った。ロダンの姿勢をとるとちょうど夕立の頭が顎に当たるぐらいだった。

提督は顎を開いて、夕立の頭に重心を傾けると顎の力を抜いた。カツンと歯が噛み合う音がした。何度かそれを繰り返す。その度にその衝撃が夕立の頭に伝わり犬耳のような跳ね毛を揺らした。

提督と夕立の関係はそんな感じであった。何の前触れもなく顎で頭を揺らす関係であった。それがどんな関係なのかと聞かれると提督も夕立もよく答えることは出来ない。提督も夕立もそんな関係を理解できていないのだ。しかし、まあそんな関係であった。

揺れる跳ね毛を見た。これは夕立がずぶ濡れていた時も跳ねていた。夕立の頭を乱暴に撫でくりまわしてみた。グラデーション状に赤みがかった金クリーム色の髪は乱れた。しかし、跳ね毛はすぐにまた復活した。撫でる。犬耳。撫でる。犬耳。

提督は跳ね毛がどれくらい耐えられるかが気になって撫で続けていた。夕立はそれが提督の愛情からくるものだと思い、嬉しそうに為されるがままであった。雨はまだ鳴り止まない。

頭を撫でていると夕立の香りが鼻についた。香水のような甘い香りではない。夕立にずぶ濡れた夕立からはあの特有の湿気の香りがした。すなわち、世界同様、夕立からは夕立の香りがした。


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