過去ログ - 京太郎「酔っぱらいの世話係」
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180: ◆JMQrjAAXSXNz[sage saga]
2015/08/13(木) 23:03:51.94 ID:VaKrLCod0
“岩舘揺杏の場合”


揺杏「おうおう夜這いですか、ってちょっと!」

先輩の部屋のドアを開けっぱにして立ち去る。

どうせ理由付けても見破られるだけだろうし。自分だってバレバレのくせして。

揺杏「おい!待てって!」

京太郎「付きましたよ」

ホテルから少し離れた場所。この辺に確か――

揺杏「えっと、もしかしてホントに」

京太郎「あったあった」

揺杏「え、なにそれ。何のボトル?」

京太郎「酒ですよ、酒」

揺杏「はぁ!?」

驚く先輩。まあ出したってことは飲もうと思ってるってことだろうし、そりゃ驚くか。

揺杏「私達、未成年だぞ?」

京太郎「ははは、怖気づいたんですか?」

揺杏「べ、別に!お前が大丈夫かなぁって思っただけだし!」

京太郎「じゃあ飲みましょうか」

挑発にすぐ乗ってくれるから助かる。本当扱いやすいなぁ。

京太郎「それじゃあ、明日の勝利を祝って」

揺杏「!!」

京太郎「何驚いてるんですか。勝つんでしょう?」

下手な励ましは言わない。ただ信じていると伝える。

京太郎「乾杯」

揺杏「か、カンパイ!」

互いに飲むのは一杯だけ。明日に支障が出ても困るしな。

京太郎「ん?」

煽った際に気付く。大きな、大きな三日月に。

京太郎「見てください。綺麗ですよ、月」

揺杏「ふん、口説いてるのか?」

目は合わせない。信じていると伝えたから。

揺杏「何が綺麗な月だ。東京の月なんて、ぼやけてるじゃないか...」

どんなときにも顔をあげる。たとえはっきり見えなくても。

揺杏「私達の勝ちは、もっと輝いている!」

その宣言はこの場において、最も光る星だった。


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