2:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:35:34.26 ID:V8gzDOoiO
咲「…じゃあ、どうしたらよかったのさ」
じっとりとした嫌な汗の感触に目が覚めた。
額に浮かぶ珠のような汗の理由は、夏という季節のせいではなかった。
嫌な夢。少女――宮永咲の心に今もぽたりと黒い雫を垂らす苦い記憶。
今は遠く、大都会で暮らす彼女の肉親が彼女に残した醜く惨たらしい傷痕。
独りごちた問いに返ってくるのはやさしく彼女を包む言葉などではなく、喧しいクマゼミの輪唱だけだった。
咲「…ぜんぶ悪い夢だったら、いいのに」
283Res/129.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。