22:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 03:57:33.47 ID:V8gzDOoiO
意識がゆっくりと覚醒していくのを感じる。
たぶん、もう日も高くなり始めている。そんな予感を抱きながらも、身体を起こす気にはなれなかった。なんなら瞼を開く気力さえ湧かない。
憂鬱すぎた目覚めの原因は、過去や夢にはない。珍しく、現在進行形で咲の頭を悩ませている問題のせいだった。
億劫げに伸ばされた手が硬質ななにかを掴む。愛用の置時計だ。
目の前まで持って行くと、針は九時前を差していた。
もうすぐワイドショーは始まる…が、そうではない。もうすぐ、そう、もうすぐ。
そうしてぐずぐずしていると、突如家中に甲高く間延びした音が鳴った。
来客を報せるインターホン。咲を精神的に追い詰める悪魔の足音だ。
283Res/129.02 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。