28:名無しNIPPER[saga]
2015/08/02(日) 04:07:54.86 ID:V8gzDOoiO
  
 健夜「それなら…元からある場所を壊すのがいやなら、なにもないところで一から始めたらいいよ」 
  
  その暴論に、咲は呆気にとられた。 
  言うだけなら易いものだろう。しかし現実はそう易くはない。 
  一から始めたとしよう。それでなにができる? 
  結局環境が整っていなければ、健夜の目的である、高校生に混じって麻雀をするという目論見は達成されない。  
  部がない。人がいない。道具もない。 
  それでは麻雀はできないではないか。 
  
  咲が反論の代わりに、たっぷり冷やかな目線でもって追及すると、健夜は鼻息荒く捲くし立ててきた。 
  
 健夜「私の母校、茨城の土浦女子。そこにきて。あそこは私がいた時は強豪扱いだったけど、いまは悲しいかな、弱小もいいところで部はほとんど活動もしてないと思う。でも必要なものはあるはずだし、それに母校なら私の顔も利く」 
  
 咲「…人はどうするんです?私と小鍛治さんのふたりじゃ、練習もできませんよ」 
  
 健夜「私が集めるよ。こう見えて、麻雀の才能を見る目は確かだから」 
  
  熱のこもった語り口に、健夜の本気が見て取れる。 
  咲は瞬きするのも忘れて、爛々と輝く健夜の瞳を見つめていた。 
  
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