52:1[saga]
2015/08/06(木) 03:52:45.33 ID:DprYNBt5O
テレビから無秩序に垂れ流される情報の羅列が、季節の移ろいを知らせる。
自宅の自室、いまはぐちゃぐちゃに広げられた資料やら雑誌やらに埋め尽くされた空間にて、小鍛治健夜は頭を抱えていた。
健夜「うあ…どうしよう…ま、まったく捗らない…」
手元の紙束を繰り、紙面に記載されている情報に目を通す。
友人である福与恒子から提供された莫大なデータ。そこには中学生から高校生まで、有望とされる女子雀士が並んでいる。
眼球がインクのしみを追うだけで、健夜の琴線に触れる者はいなかった。いや、正確には、いたとしても現実的に考えて交渉の余地もないであろう人間ばかりだ。
狂気の沙汰ともいえる話に巻き込む相手だ。すでに舞台を見つけ、上がっている者ではまず望みがない。
探すべきはそれこそ咲のような、埋もれてしまっている才能。土浦女子という寂れた舞台から、遠く輝く華やかな世界を睥睨できる者だ。
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