59:1[saga]
2015/08/06(木) 04:00:43.18 ID:DprYNBt5O
髪をさらう冷たい風に心まで凍てつきそうになる。
重苦しく感じる胸中をすこしでも慰めようとおおきな溜め息を吐き出した、その時、着信を知らせる機械音が鳴り響く。
突如喚き出した携帯電話によくわからない緊張感を抱きながら、呼び出しに応じる。
相手は登録されてる数少ない人物、福与恒子だった。
健夜「もしもし?」
『あ、すこやん?』
健夜「はい、“スコヤ”です」
『例のアレ、どーお?捗ってる?すこやん』
電話口でもわかる、どこまでもマイペースな友人の調子についていけず、何度目かもわからない溜め息が出る。
健夜「アレって?人材発掘のこと?」
『それそれ。どうなんよー』
健夜「…まあまあだよ。まあまあ」
『あちゃー。やっぱだめかー』
健夜「まあまあって言ったじゃん、だめってどゆことなの…」
実際だめ気味なのが現状だが、それにしてもまっさきにだめだと思われたのは納得がいかなかった。
通話越しにも容易く想像できる呆れ顔に不服ではあったが、すぐにもたらされた新しい情報に、健夜の目の色が変わった。
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