10:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 13:51:56.55 ID:5uQHH2Qt0
菫「今夜は吹雪くかもしれないな。今日はもう終わりにしようか……淡たちにも知らせないとな」
照「そうだね。原村さんもここで一緒に待っててくれる?」
和「分かりました」
11:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 13:53:43.78 ID:5uQHH2Qt0
インターハイが終わり、咲さんがお姉さんとよりを戻したことからはじまり、各校との人たちとは戦いの中で育まれた友情が萌芽となり、プライベートでの交遊が行われる仲となっていました。
今回の旅行もその一環で、辻垣内さんの親戚が経営するというペンションを一週間借りさせてもらい、清澄、白糸台、阿知賀、姫松、そして臨海(中には都合が悪くこれない人もいました)の五校でスキーを楽しむこととなったのでした。
旅行とはいっても地元なんですが、はっきりいって田舎の景観はみんな同じなので、ここが長野だろうと新潟だろうと栃木だろうと変わらないのです――東京にさえ似たような場所があるんです――。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 13:55:04.17 ID:5uQHH2Qt0
そうは言っても、遠くに旅行したというのと、地元というのは気の持ちようが違うものですが……もう、そんなことはいいんです!ようは友達と一緒にいることが肝要なんですから。
さて私はこの旅行を実に楽しみにしていました。
三年生がたの受験も終わり――ちなみに皆さん成績は優秀だったので、特別受験の雰囲気は感じさせませんでした――、先輩はもう大学生となる。
13:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 13:57:00.68 ID:5uQHH2Qt0
しかし悲しみを伴った楽しみなど意味があるのでしょうか?
感じてはいけない、感じたら価値が薄れてしまう気がする、と分かっていても、空虚さを感じてしまいそうになるのです。
生きていると実感するというのは、よくある言葉ですが、私は生を感じたい……あるいはこの感情はこの言葉ではないのかもしれません。何か別の――
14:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 14:06:59.46 ID:5uQHH2Qt0
2
私たちがペンションに戻ると、やはり雪は強くなり吹雪始めました。しばらく外にでることも叶わなそうな様子でした。
私と咲さんは部屋で着替えをしていました。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 14:11:39.33 ID:5uQHH2Qt0
咲「えーと、和ちゃん人形さんみたいに肌綺麗だなーって」
和「え……そうですか?」
咲「うん、凄い綺麗だよ」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 14:13:17.72 ID:5uQHH2Qt0
と気付いた頃には手遅れで、もはや何をしようとその行動には誤魔化し、という付加価値が生じるのです。
仮に咲さんが何も思っていなくともです。
そうは言っても上半身ブラジャ一枚、下はスキーウェアのままというのはあまりにも格好がつかないので私は着替えを続行しました。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 14:17:16.20 ID:5uQHH2Qt0
咲「和ちゃん!大丈夫?」
和「え……ええ、全然大丈夫ですよ」
私はそう言いながらも羞恥心にかられました。咲さんが手を貸して起こしてくれたとき、私は頬を赤くして俯いていました。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 14:22:30.81 ID:5uQHH2Qt0
咲「あはは……私もよくやるし、全然気にしないよ」
そう言われて私は愕然とし、気づきました。
自分の行いで恥じるということは、その行いをする他人を恥ずかしいと思うことだと……。
19:名無しNIPPER[sage saga]
2015/08/02(日) 14:26:24.22 ID:5uQHH2Qt0
咲「和ちゃん、どうしたの?」
咲さんは微笑を浮かべ首を傾げます。
和「何でもありません……すみません、咲さん」
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