11: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:11:30.87 ID:SEr4tbLco
けれども、魔王を倒す事を諦める訳にはいかないのは事実だった。
自分に課された使命……ただそれだけが、犬になってしまった今でも俺を諦めさせてくれない。
犬勇者(よし、この家をでよう……ごめんな、お嬢ちゃん。俺が無事、元の身体に戻れたら犬の一匹くらい、プレゼントしてやるさ)
むくり、と起き上がり半開きになった窓を見る。幸いにして此処は一階、これなら外に飛び出せる。
もし二階以上なら、逃げ出せなかっただろう。その時はなんで猫じゃないのか、と魔王を恨むだろうけど。
犬勇者「…………」
ふんふん、と少女の額に鼻を押し当てて、別れの挨拶を済ませる。犬方式である。くそったれ。
犬勇者(悪いな。仲間たちの為にも、世界の為にも……俺は、やれることはやらなくちゃなんねーんだ)
音を立てない様に、するりと窓から飛び出し―――少女の家を後にする。勿体無いことしたのかなあ、と多少は後悔の念も有り。
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