123: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:36:06.48 ID:/aoxDJVuo
犬勇者「ごめん! 悪かった!」
呪術師「それに、私の……く、唇まで……!」
犬勇者「いや、それもほら! 緊急じゃん!?」
ああ、呪術師さんの顔がみるみる真っ赤に……。
呪術師「う、うぅ……き、きんきゅう……」
犬勇者「そ、そうだ。緊急だったから仕方がなかった! 全部、仕方がなかった!」
やばい、このままだと凄い怒られる気がする。
ていうか呪術師も俺に惚れてるなら、許してくれても――――。
呪術師「……でりかしー、ない」
犬勇者「!?」
呪術師の瞳から、大粒の涙が……。
そんなに、俺は悪い事―――あぁ、言ったよなあ。
犬勇者「ごめん……緊急でも、嫌だよな。ああいうのは、犬なんかに……」
呪術師「そうじゃ、ない……そうじゃない……」
犬勇者「いやでも、だってさ。俺、お前の気持ちは……聞いちゃったけど」
呪術師「――――っ!」
犬勇者「犬なんかになったら、恋も覚めるわな。お前を騙してたわけじゃないけど、甘んじてたのは悪いし」
呪術師「…………」
犬勇者「だからさ、なんていうか……申し訳ない。お前が好きだった、勇者ってヤツはやっぱり死んだも同然なんだ」
きっと呪術師が憧れていた、一目惚れした”勇者”は今の犬になった俺ではない。
だからこそ、彼女は涙しているし、羞恥も激しいし、嫌悪もあるだろう。
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