過去ログ - 犬勇者「わんわんお!」
1- 20
132: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2016/01/15(金) 06:41:27.66 ID:/aoxDJVuo

犬勇者「こうして犬になって、使命感だけで乗り切って来たけど……呪術師に会えなきゃ、心が折れてたな」

呪術師「本当に? だとしたら、少しうれしい」

犬勇者「それに実際、俺は無知だ。呪術の事なんてそんなにだしな。魔法使いとお前、最初見分けられなかったくらいに」

呪術師「それはまあ、双子だから。魔術と呪術が感じ分けられないなら、仕方ない」

ふぅ、と一息つく。俺の旅は、一旦犬にされた事で終わってしまったんだなあ、と感じる。

呪術師「だけど、めげずに勇者は今此処にいる。生きているし、まだ立ち上がれる」

そうだ、俺の旅はまだ終わっていない。
そして、明日から俺の旅は―――新たな局面を迎えるわけだ。

犬勇者「ま、何が言いたいのか分からなくなったけど。呪術師みたいな、新たにパーティの仲間を見つけれてよかった」

呪術師「…………うん」

少し、躊躇いがちに眼を伏せるが―――呪術師は、直ぐに決意の固まった眼を俺に向けて。

呪術師「本来、私は日陰の人間だから勇者のパーティには入る事を許されない」
「けれど、なりふり構ってられる状況でもない……だから、私も勇者と戦いたい」

犬勇者「はは、ありがとう。あの魔法使いの姉さんだ、期待してるよ」

呪術師「妹はやっぱり有能だった?」

犬勇者「あぁ、そりゃアイツは凄かったぜ―――――」


そして、俺は眠くなるまで旅の話を語り聞かせた。
魔法使いの活躍も、戦士と魔法使いが好き合っていた事も……俺が魔法使いを好きだったのは、内緒にしておいた。
それによく戦士と魔法使いがいちゃらぶしすぎて、僧侶にこっぴどく怒られていた事も。ほんと、聖職者は頭が硬いと呪術師は笑っていた。

そんな雑談をして、夜は更けていく。
そう、俺の……俺たちの旅は、また新たに始まるのだ。



その第二幕は、最低最悪の出だしになるとは、幸福の絶頂に居た俺には予想できるはずがない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
145Res/115.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice