過去ログ - 犬勇者「わんわんお!」
1- 20
47: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/09(日) 11:30:17.68 ID:3Ri8fxGZo

王「残念ながら。彼らにかけた強制帰還の魔法が発動したわけではないらしい」
「勇者たちが最後に確認されたのは、最果ての街……魔王城の近く、らしいが……」

呪術師「では、魔王に敗れた……? そんなはずない。だったら、妹たちが……生きているワケがない……」

王「そうだ。見せしめなら殺せば良い。だが、生きている。確信はないが、ワシは勇者が三人を逃したのではないかと……」

……そうだったら、どんなに良かったか。
俺は確かに魔王に殺された三人を見たし、俺自身もまた魔王と魔女の手で……。

呪術師「……考えても、分からない。とにかく今は、三人の目を覚まさせないといけない」

王「うむ、そうじゃな……長々と引き止めてすまない。では、魔法使いを診てやってくれ」

呪術師「分かった。行こう、犬……」

犬勇者「わ、わん」

俺は呪術師に撫でられ、謁見の間を後にしようとする―――。

王「ああ、ちょっと待て。その犬は……お前の、家族か?」

呪術師「そう。最近、拾ったの」

王「ふむ……名前くらい、つけてやったらどうだ。犬、と言うのはなんとも……」

あー、そうなんだよ。呪術師、犬としか呼ばないんだよ
とはいえ変な名前つけられるのもなあ……。

呪術師「……ふふ、考えておく。父上、嫉妬してたり?」

王「ふっふっふ、確かにそうかもしれんな。犬よ、呪術師を頼むぞ……?」

……王が、旅立ちの日に俺に向けた視線と同じものを向けてくれていた。
あの時は、魔王を倒せと、そして魔法使いを守れと……そして、今は呪術師を守れと……。

犬勇者「わん!」

俺は、あの時と同じように力強く返答した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
145Res/115.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice