65: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/17(月) 23:19:45.07 ID:DSNxDsCAo
魔法使い「んもー、私は大丈夫なのに。一緒にも暮らせてないし、やんなっちゃうなあ」
呪術師「我侭、言わないで。こうして王都で、毎日会ってるじゃない」
魔法使い「そうだけど……うーん、まあ良いや。お姉ちゃんにはお姉ちゃんのやり方があるんもんね」
呪術師「物分かりが良くて、私は良い妹を持った」
にしし、と屈託ない笑みを浮かべる妹の頭を撫でる。
私が進んで茨の道を歩く事を、私の家族は快く背中を押してくれている。
妹も、父も……本当は是が非でも止めたいのに、強くは言わない。本当に我侭なのは、私なのかもしれない。
呪術師「さて、登録も終わったし……魔法使い、私はここまで」
魔法使い「えー、お姉ちゃんはお仕事?」
呪術師「そう。また、呪いの反応が見られた場所があったらしいから、調査」
魔法使い「まーじーでー。気をつけてね? 私も行っか?」
呪術師「新米は連れて行けない、かな」
魔法使い「あ! 馬鹿にした! 今、私を馬鹿にしたなあ!」
がーっと吠える妹の頭をまた撫でて、私はにっこりと微笑んであげた。
くしゃくしゃの頭を抑えながら、妹は唸っているけど……嬉しそう、だった。
妹と同じ仕事に挑む事は、まあないだろう。それは彼女も知る所だ。
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