67: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/17(月) 23:21:21.12 ID:DSNxDsCAo
呪術師「…………これ、は」
儀礼用と思われる祭壇が小規模ではあるが、設置されていた。
その上に置かれていた書物には、此処で研究されていたと思われる事が記されていた。
呪術師「魂の転移、抽出、汚染……成功例は、なし」
ぱらぱら、と読み漁るが……どれも、成功する見込みのない研究成果であった。
呪術が魂へと干渉する法である事から、魂を人間の手で自在に手繰るという夢物語。
呪術師「……狂っている」
ふと見れば、赤い壁の中心に違和感を覚えた。
彼らが手を伸ばす先が、その中心部分に集中していたからだ。
手を触れると、そこから濃度の高い呪いを感知した。
呪術師「これは……」
触れた先から伝わるのは結界の術式―――この先に、空間がある?
呪術師「呪術による結界なら―――……解呪、開け」
赤い壁に更に自分の血を塗りこみ、陣を描く。
簡単に結界は剥がれ、壁が崩れ去り空間が現れた。
壁の先には打って変わり、燭台による灯りに照らされた回廊があった――そして、夥しい呪いの気配が鼻をついて香った。
呪術師「この先に……いる」
迷うこと無く、私は回廊を歩く。一歩、また一歩と進む度に空気の淀みが一層、酷くなる。
回廊は無限に続くかの様に、先は見えない。これもまた、一種の結界かと思われる。
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