71: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/17(月) 23:23:31.24 ID:DSNxDsCAo
術者「ひ、ひはっ!? ば、ばばば、ばかな……言葉、言葉、言葉だけで、私の身体に”呪い”を掛けたと言うのか……っ!?」
呪術師「はあ、はあ……別に、不思議な事じゃない……」
本来、少量の血やストックした試験管の血液で呪術を行使するが、緊急の場合には体内の血液を使う。
それだけに疲労は少なくないが、彼のスピードに対応するにはコレしかなかった。
呪術師「はぁ……貴方は呪術者としても、魔物としても中途半端。だから、簡単にそんな事になる……」
術者「ひ、ひい、せっかく、せっかくあのお方に……力を、与えてもらったのにぃ……っ!」
呪術師「はぁ、はぁ………あのお方、とは? 言え、言わないと……地獄の苦しみを、知ってもらう」
「人間を魔物に変える……そんな呪い、あってはならない。それに、魂を手繰る呪術を研究している理由も……言え」
息を整えつつ、身動きの出来ない彼を見下す。恐らく、私は酷い目をしているだろう。
こういった自己利益や歪んだ探究心の塊を見ると……酷く、吐き気を覚える。
術者「言えるか、言えるか小娘ェ! お前なんぞに、王都の犬に―――あのお方の、名前を言えるかああああああ!!」
彼が吠え、何処にそんな力があったのかと思う程の勢いで―――胴体だけで、私の首元目掛けて飛びかかってくる。
呪術師(しまった、まだそんな力が――――もう、一度っ!)
その瞬間に、がくん、と足に力が入らなくなった。視界が一瞬、ぼやけた。
呪術師(やら、れる―――っ)
急速に失った血液による目眩。それが私の身体を鈍らせる。
油断、という言葉が正しいのだろう。血液を多く使ったものの、彼を身動き出来ない状態に出来なかった自分が恨めしい。
145Res/115.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。