過去ログ - 犬勇者「わんわんお!」
1- 20
72: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/17(月) 23:24:38.67 ID:DSNxDsCAo

術者「――――――ぐげぇえええぇえ!!????」

しかし、私に彼の牙が触れる事はなかった。
思わず閉じた目を、開けば……目の前には真っ二つに切り裂かれた、彼の姿と……。

「ふうー……切れ味、抜群!」

大きな背中が、猛々しく私の眼前にあった。彼はその太い腕で剣を振るい、邪悪を一刀両断したのだ。

「危なかったな? 変な魔力を感じて来て見りゃ、何事だよこりゃ……」

ぴくぴく、と物言わぬ亡骸になった魔物を一瞥して、彼は、私を見た。
その顔は凛々しく、人類の希望を背負った強い眼をしていた。私は、それに魅入られて……何も、言えなくて。

「もしもーし……あの、大丈夫か?」

呪術師「…………はっ、えっ、うん、大丈夫」

危ない、ぼーっとしてしまった。これは、きっと目眩のせいなんだろう。
急速に失われた血が、私の頭を惚けさせていたのだ。それだけの事だ……。

「そりゃ良かった。しっかし、アンタ強いな……コイツ、結構大型なのに四肢をぶっ飛ばすとはな」

呪術師「………そう?」

「ああ、俺のパーティに欲しいな」

呪術師「パーティ……? まさか、貴方……」

彼は、にかっと笑って……私にビシッと親指を立てた。

勇者「おうとも、勇者って言うんだ―――なあ、アンタ、俺と魔王討伐に行かないか!」

私はこの時、どうかしてたと思う。しどろもどろになり、眼の焦点もあわなかった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
145Res/115.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice