過去ログ - 犬勇者「わんわんお!」
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8: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/02(日) 22:10:11.66 ID:SEr4tbLco

犬勇者(……状況は絶望的だぜ。とんでもない事してくれるなあ、魔王め……)

自決する事も考えたが、この身体になってしまってなお強制帰還の魔法が働いているのかわからなかった。
いや、恐らくは魔王が俺を”生かしている”時点で発動するとは思うが、発動しなかった場合の事を考えるとゾッとする。

犬勇者(このまま、犬として死ねば魔王の思うツボだしなあ……)

そもそも、自決する事でのメリットが殆どなくなってしまっている。
パーティを組めば情報を共有できるが、パーティ情報が何もない。つまり、強制的に解散させられている。
これは魔王の仕業だろう。あの場で俺を殺せば、仲間全員で街に戻れたし、レベル上げもできたしな……。
それに最後の街に仮に一人で戻れたとしても、犬の自分に人間と意思疎通は出来ない。俺は勇者だ、とも言えるわけがないし。
加えて最終手段で言えば次世代の勇者に託す事だ。死ねば神々は新たな勇者へと加護を与える。
……が、勇者の血縁は俺のみだろうし、仮に親戚に及んだとしても何年、何百年後かの話だ。

一旦、犬にしてからパーティを解散させて完全に俺を孤立させた上での放置しても問題ない状態に仕立てあげる魔王の策。
正直な話、生き地獄というのを今まさに味わっている気分だった……犬の自分に、何も出来ないのは確かだ……。

犬勇者(あー……くそ、完全に詰んでる……)

自分の手を見てみる。いや、前足ですか。
ぷにっぷにの肉球があった。夢なら覚めてほしい。

犬勇者「わふぅ……」

溜息をついたら、溜息まで犬で……もう、なんていうか、笑うしかない。



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