88: ◆XtcNe7Sqt5l9[saga]
2015/08/28(金) 03:42:17.08 ID:bXvlyvW5o
野盗A「んぐぇ」
野盗B「あっ、ちょっとうらやましい」
野盗C「いだいぃぃぃぃぃぃぃ!」
お頭「お、お前らうるせぇ! 早く、俺を助け―――ひっ」
私は、頭領の顔に両手を当てて―――ああ、多分私は今、凄い眼をしている。
呪術師「勇者を語るとは良い度胸。生命知らずは、お前だ」
燃える様な、ドス黒い感情が湧いて出てくる気がする。
期待し、憂いがあった分……その分だけ、私は今、滅茶苦茶怒っている。
私の眼を見て、頭領は何も言えなくなった。それと同時に、屈辱に塗れた表情を見せた。
呪術師「……どうしたの? 呪術で、抵抗してみればいい」
お頭「じゅ、呪術だあ? そんなもん……俺は、使えねえよ……?」
薄ら笑いを浮かべて、頭領は言う。
呪術師「そんなはずはない。この廃砦に、呪術の反応がある……じゃあ、誰が使うの?」
ちらり、と背後に転がる野盗たちを見るが、一様に首を横に降る。
だが、そのどれもが―――薄ら笑いを浮かべているのが、不愉快だった。
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