28:名無しNIPPER
2015/08/03(月) 14:21:12.26 ID:2CAlSwxW0
上条「ちなみに処置っていうのは、やはり記憶に関することですよね」
神裂「はい、彼女の脳はその膨大な記憶量によって脳の70%を使ってしまっているのです。なので完全記憶能力を持つ彼女の
記憶を周期的に、その魔道書以外の記憶を消さなければ、彼女は死んでしまうのです……」
上条「ふむ」
上条(まぁ、それは嘘だろうな。完全記憶能力っていうか、それなら世界中の完全記憶能力の人間が早死にすることになる。聞いたこと
ねぇよ、そんなの)
神裂「なので…ここは見逃していただけないでしょうか」
上条「まぁ、そうですね。それが一番楽だと思います」
神裂「それでは……」
上条「でも一つ、いいですか?」
神裂「なんでしょうか」
上条「あなたは、彼女がカップ麺を食べる姿を、見たことがありますか?」
神裂「どういうことです?」
上条「いや、カップ麺じゃなくてもいいんですけどね。とりあえず彼女がご飯を食べるその表情を、見たことがありますか?」
神裂「いえ……もう何年も」
上条(何年もってことは……やっぱりか。こいつら三人、もともと友達同士だったんだろう。さっきの間に違和感があったが、
そういう意味か)
上条「俺は、あの表情を見ることができただけで、彼女に出会ったことに感謝できる」
上条「そんな彼女が、これからもずっと、生きている間ずっと追いかけ回され、その上に、そのたびに忘れた痛みや恐怖を
何度も味わうことになるなんて、俺には許せない」
神裂「……じゃああなたのような素人に、いったい何ができるというのですか?私たちは何年も何年も……もうそれ以外に道は
ないとわかっているんです。だからっ」
上条「俺は、少なくともあなたたちが知らないことを一つ知っていて、そしてそれを壊せるかも知れない力も持っている」
神裂「……なんですか?それは」
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