過去ログ - にこ・絵里・真姫「「「夏、終わらないで」」」
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9:名無しNIPPER[saga]
2015/08/03(月) 01:51:09.79 ID:y+vnwoOz0

希「此処をこうして…次にこの線を引いて…」ツ―ッ


描いた円には幾多もの線、直線状に重なるように曲線が敷かれ
それが段々と一つの模様となり傍から見ている3人には解せない文字を
次々と構築していく


絵里「…っ」ゴクッ…


彼女等3人は神学やオカルトの類には詳しくない
だが屋上の無機質な石畳の上に表れる文字はなんとなく何処かで
見たことがあるモノだった…


にこ「…ドラマに出て来る奴に似てるわね」ヒソヒソ

真姫「きゃっ!…に、にこちゃん!急に話しかけてこないでよ…」ヒソヒソ

にこ「あっれれ〜?真姫ちゃんちょっと涙目にこ〜?
              もしかして怖いのかなぁ〜?」クスクス


真姫「ば、ばっかじゃないの!そんな訳が…」ガタガタ

にこ「はいはい…、可愛いにこね〜♪」

絵里「にこ…あんまりからかうんじゃないの…静かにしてて」ボソ

にこ「はいはい…って、アンタ大丈夫?顔真っ青よ?」ヒソヒソ


絵里「…だ、大丈夫よ…ただ、ちょっと寒気がして‥」


余興でも楽しむような雰囲気のにことは裏腹に心底怖がる同級生と後輩
流石に矢澤にこも…

「…あー、ちょっとふざけすぎたかな…」

「にこの我儘でつき合わせたようなモンだし……謝っとこう…」

っと…二人に対して申し訳なく思い始めたのか、言動を慎んだ



今はただ3人とも黙って希の準備を見ているだけだった…






希「…」そーっ



 輪の中に描かれた模様とドラマの陰陽師なんかで見かけるような文字
ただの大きな『円』から『陣』に変わったソレの中で東條希は
マッチ棒を一本擦って火を起こす、小さな棒の先端でゆらゆらと蠢く灯は
蝋燭へとその命を分け与える…

彼女は役目を果たしたマッチ棒を口元に運び、ふっ…と一息で鎮火する


  …ポタ


           …ポタ



 そこから先は丁重に、火が移り灯った蝋を地面の至る所に垂らしていく
溶けた白い蝋は一定の間隔をあけて落とされ…

やがてはこの熱帯夜の空気の中で固まっていく



     希「…できた…」ふぅ…


額の汗を裾で拭い…彼女はソレを完成させた、させてしまった


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