過去ログ - 【ゆるゆり】櫻子「ねえ、花子。今日、楽しかった?」
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38:名無しNIPPER[saga]
2015/08/03(月) 20:40:30.68 ID:ED8Np3Nlo
櫻子「ねえ、花子。今日、楽しかった?」

花子「……楽しかった」

櫻子「なら、いいじゃん別に」

花子「……よくない」

櫻子「だってさ、勿体ないよ。たとえ大人になれてもさ、その数年分をぎゅーって潰して、
楽しいことまで壊しちゃうなんてさ、なんかつまんないよ。私はそんな生き急がないけどなー」

花子「……なんで櫻子のくせにまともなこと言ってるんだし」

櫻子「私だって真面目な時ぐらいあるわい」

花子「……そっか。じゃあ、花子にもぎゅーってしたい時だってあるし」

櫻子「あーこのわからずやめ! ……ん」

私の口元に、花子の人差し指が添えられていた。
ひんやりとしたそれは、しっ、っとする合図のようで、熱くなった私を冷ました。
平熱に戻ると、なにも言うことが思い付かなくなり、黙り込んでしまう。

花子は、なにも言わずにこちらを見つめている。
その表情が分からないのは、きっと薄暗いせいではなくて、私が見たことのない顔だからだった。
毎日私と顔を合わせて、分かり易いぐらいにコロコロと表情を変えるのに、今の花子は記憶のどこにもいなかった。
だけど、目の前にいる女の子が誰なのかなんて、聞くまでもない話で。

花子「ねえ、櫻子、ぎゅってして」



櫻子「花子、何読んでんの?」

今さっきまで寝転んでいた、ソファから起き上がった。
花子はテーブルの前に座り、手に持つ文庫本を開き、視線をそこに落としている。


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