過去ログ - 旅人「モンスター娘に殺される話」
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2015/08/04(火) 20:12:40.14 ID:Qo4PdzSj0
  
  
 堂に至る道も、険しい山道であったが、 
  
 裏から出た先は更なる獣道。 
  
 もちろん馬車など通れようはずもない。男と少女の二人だけ。 
  
 荷馬車。そして女と大男は、予定通りのルートで回り道することとなる。 
  
 「目ぇつけられた可能性もあるからな。二人きりもなんだが、この山を越えるまでは我慢してくれ」 
  
 比較的歩きやすい道を案内しながら、声をかける。 
  
 こくん。少女は頷くのみ。 
  
 「こっちだ」 
  
 倒木に上り、手を差し伸べる男。 
  
 「……」コクン 
  
 少女はその手をとり、ぐいっと倒木の上へ。 
  
 そこで抱えられ、ひょいと反対側へ下りる。 
  
 「さて……そろそろヌシの領域だ。危険はないから、騒いだりするなよ」 
  
 振り返り、少女の眠たげな目を見て 
  
 「ま、……その心配はないか」 
  
 「……」 
  
 地面は、丈のある草に覆われ、木の枝やツタだらけ。 
  
 どんどん進みづらくなっていく。 
  
 と、 
  
 がささっ 
  
 何か、這いずる音がした。 
  
  
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