過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　２３【募集鯖鱒】 -SS速報VIP

過去ログ - 【二次創作聖杯戦争】Pastime　Game　２３【募集鯖鱒】

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16: ◆v.By3fESrTsY[saga]
2015/08/06(木) 23:28:09.16 ID:tWcYoAv90
眼前の敵、生前、あるいは今までの戦争を通してもっとも強き敵を相手にイレギュラーは。

「…眼前に立つは一騎無双の英雄の群れ」

言葉を紡いでいく。それは奮い立たせるためでは無い。

「私に続くは十にも満たぬ烏合の衆」

体中から血を吹き出し、語る言葉に紅が混ざる。

「ならば戦い抜かねばなるまい。誰であろう、この私が。しかし、そういうわけにもいかんのでな」

だが、それでも紡ぎ、笑う。心臓が早鐘を打ち、全身は悲鳴を叫ぶ。

「それが私の最後の戦場。そうであるならば、これ程度の窮地をいかんせん」

しかし、体を動かすのが気力だけならば、体を動かすのが心だけならば。

「罷り通らせてもらうぞ、バーサーカーッ！」

彼はまだ戦える。
彼はまだ戦える。
彼はまだ戦える。

叫べ誇りを、魂を以て躰を動かせ。
溢れる血潮と、折れぬ信念をもって。

その生き様を惨めに、哀れに、不細工に刻み付けてみせろ。
問え、そのボロボロになった英雄の名は。百の国を潰し、千の戦いを超え、万の骸を作り出した男の名は。

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「我が名を骨髄まで刻み付けろッ！！！　我が名はハーゲン・フォン・トロイエン！　誇り高き騎士にして、一騎当千の英雄であるッ！！！」

その叫びに、覇気に、幾多の戦を潜り抜けたバーサーカーですら一瞬身を竦ませ。
瞬間、できた突破口にイレギュラーは珠樹とアガサの手を取り体をねじ込ませる。
反応を一瞬遅らせたバーサーカーの喉元を剣が掠める。

「背後は任せて！　ハーゲン！」
「感謝します！　姫！　マスター！　アガサ女史！　決して私たちの手を放すな！　戦況を離脱するぞッ！」

黒き疾風のごとく英雄は駆け抜ける。
戦場の鬼とも呼ばれた英雄の最後の闘争は、主を守るための全身全霊の逃走。
限界を遥かに超えたその速度にバーサーカーは舌を巻き。

「ハヤイ…！」
「モ゛モ゛モ゛ーッ！？」

その逃走を止めることはかなわなかったのであった。

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