過去ログ - 【シュタゲSS】ラボに帰ると紅莉栖が真っ赤だった
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16: ◆3go5SqN4Y.
2015/08/08(土) 23:18:16.19 ID:hErRDm0p0
紅莉栖「それでね、その、タイムリープ前に、コインランドリーであんたに会ってね。そこでも、あんたの白衣が破れてたのよ。そこで、聞いた。前の世界線でも同じようなことがあったって」

岡部「そ、そうだったか……」

ほっとしたような、なんだか残念なような。いや、不必要な干渉を与えないためには、これでよかったのだろう。

紅莉栖「それで、そのときは、なんでラジ館なんかで縫ってあげたわけ? 人いっぱいいるんじゃないの?」

岡部「いや、その日は雨が降ってきてな。色々あって、ラジ館の中にも人はいないときだったのだ。あのころは大変だったぞ。紅莉栖が突然、下着びしょ濡れ宣言をしてだな……」

紅莉栖「なっ、そ、そんなことするか! このHENTAI!!」

岡部「いや、事実なのだがな」

そう、すべて事実だ。あの頃顔を赤らめた紅莉栖の姿も、怒っている顔も、すべて覚えている。
他の世界線の話をしてはいけない、そう頭では考えていても、つい口からこぼれてしまう。

岡部「そのあと、だな。何百回、何千回とタイムリープを繰り返してた頃、紅莉栖、お前に助けてもらったのは。本当に礼を言いたい。ありがとう」

だが、そういってから、俺は失敗をしてしまったことに気付いた。
そうだ、これはやってはいけないことだったのだ。

紅莉栖「……岡部は、やっぱり、前の世界線の私が好きなの? 牧瀬紅莉栖という、今の私を見てくれているんじゃないの?」

涙目になりながら、紅莉栖がこっちを見てくる。
しまった――そういう意味ではなかったのだが――。

岡部「いや、そういう意味では……」

紅莉栖「……ごめん」

そういうと、紅莉栖はラボから出て行ってしまった。

そのときに、ようやく、先ほどまでの晴れは姿をひそめ、しとしとと雨が降っていることに、俺は気付いた。


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