29:名無しNIPPER[saga]
2015/08/18(火) 16:55:18.11 ID:T/DyUq/K0
「すっげ……」
思わず声が出る。
趣味の悪い服装からは考えられないような綺麗な魔法だった。
自分に対する攻撃である事さえも、ひと時の間頭を離れた。
手の上に広がったのは、小さな華をかたどった文字通り『水の花束』。
最初はガラス細工程度の大きさだったそれは、みるみるうちに噴水のように広がっていった。
「さぁ近くに川もあるしぃー、こーれーはぁーけっこうドッパーいっちゃいます的なー?」
加速度的に増す水の花はとうとう、鉄橋に触れるほどに高さにまで成長した。
「ひぃひぃ言いながら逃げるの希望ー」
「まずいまずいまずいまずいまずい来る来る来る!!」
そっとゴスロリが手を放すと、どどどぉっと天高く伸びた水の花は崩れ、濁流となった。
鉄橋下の右半分ほどが、大雨の時のように土手まで氾濫する。
彼女ら三人との間にわずかにあった距離もすぐに消された。
もう何も見えない。
考える暇もなく、目の前にはホームレスの家を巻き込んだ、水。
「ヤバ……」
こんなのに巻き込まれたら絶対に全身の骨が折れて死ぬ。
リアルな死に足が震える。
童貞のままおっぱいに触れることもないまま童貞のまま死ぬのは嫌だいやだいやだいやだ嫌だ嫌だ!!
「おっ!!」
切り抜ける手段はただ一つ!
欲望と本能をありったけかき集めて『童貞力』を一気に解放する!
「ぱぁああああいッッッ!!!」
『ヴォーアイビス』を発動させると同時に、津波のようになっていた水が消し飛んだ。
飛沫が呆然としている俺の顔にかかる。
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