過去ログ - 「童貞よ、お前に魔法を授ける」
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31:名無しNIPPER[saga]
2015/08/19(水) 02:03:41.07 ID:vbTVR/Oi0

「ちょっとぉ……ハーちゃんの最大火力が……消し飛んだんですけど……」

「はぁっはぁっ……はぁっ、はぁっ……ははっすげー何だこれ……」

水は確かに相殺できた。腕の振り一つであの津波を無効化できるとは大した魔法だ。
魔法発動の影響からか、腕が若干光っている。
これが『童貞力』……エネルギーの源なのだろうか。

「うっ?!」

ドクン、と心臓が高鳴る。
ジジイの言っていた言葉を思い出した。

『賢者タイム』。
魔法使用の反動で起こる、絶望感と疲労。

「はっ……ぎッ……あぁあ……」

今の一撃だけでこんなにもキツイ。
腕は握りこぶしを作るだけでプルプルと震え、先ほどまではわずかに残っていた『戦う意志』すら完全に消え去っている。

もうどうにでもしてくれ、俺の負けでいいから。
そんな感情を少しも情けないと思わなかった。

しかし、相手がそんな俺を気遣ってくれるはずもなく。

「コー……」

ボールギャグ女のお出ましだ。

「……『トレルパーキ』」

喋れるのかよ。


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