34:名無しNIPPER[saga]
2015/08/19(水) 17:18:25.67 ID:vbTVR/Oi0
「……コォー…」
「一気に童貞力を解放するとリバウンドが辛いでしょ。とどめよ童貞」
赤髪の女も魔法を使用する。
目が赤く輝くと途端に視界は暗くなり、灯りらしい明かりはぽつぽつと河原沿いに並ぶ街灯のみとなった。
「『ウィンパース』……『もし真夜中だったら』」
やはりそういう設定か。
これじゃボールギャグ女の魔法がほとんど見えない。
「コ、コホー」
何か黒く大きなものが、ボールギャグ女の傍で盛り上がっていっているのが分かる。
分かるがしかし、俺は対処する術を一つも持っていなかった。
ひゅっと喉から空気が漏れた。
「コホォオッ!」
「あぁあ……っ!!」
視界が黒で埋め尽くされた。
思わず目をつぶる。
ゴウゴウと唸るそれはゆっくりと頭をもたげてきて、小さな俺は一たまりもなく踏み潰されそうだ。
恐怖に足がすくむ。
息をするのさえままならない。
必死……!
「大丈夫、目を開けて」
耳元で声がした。
「ハッハぁ、ぬるいぬるいぬるいぬるい!!こんなぬるい魔法で童貞が殺せるかァ!!」
少し前に居る人の元気な声と、傍にいる人の静かな声。
震える瞼を開くと、視界は元通りすっかり明るくなっていた。
「……炎の、腕……?」
「ガハハハ、遅れてすまん!安心せい、ワシ等はお前の味方だ!!」
「私たちも君と同じ運命を背負った妖精だ。助けに来たよ」
髪がパチパチと燃えている背の高い大男。
彼が突き出した腕と同じ形の炎が、ボールギャグ女の魔法を受け止めていた。
「『トレルパーキ』……処女力を媒介にして植物を成長させる魔法ですね。ここまで大きい木となると、恐らく彼女の最大火力でしょう」
「ガハハハ、結構結構。相性が悪かったな、そこのエロいの」
「コォオー……!!」
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