29: ◆.XibMUKIvI[saga]
2015/08/08(土) 00:12:22.80 ID:fe/1sMHr0
小さな火が造る幻想的な光景の中、3人と顔を見合わせる。息を大きく吸い、ふーっと目の前に吹きかけた。1回では消しきれず、同じ動作をもう1回。
最後まで抵抗を見せていたろうそくの灯も完全に消え、リビングは静かに暗闇に包まれた。
どこからともなく、拍手の音が聞こえる。
「お誕生日、おめでとう」
その声は、どこまでも優しくて。
周りが暗くて良かった。こんな顔恥ずかしくて見せられない。
俺の顔は、今までにないほど緩んでいて、優しい顔をしていると。そんな自覚だけが暗闇の中ではっきりと残った。
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