37: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/14(金) 04:41:48.59 ID:vxs29MSN0
「もしかして取り止めにするつもりなのか?」
「まさか。理由がなんであれ、その場の勢いで決まったとしても二人には必要なことなんだろう? だったら俺は止めない。逆に見届けなきゃな」
「なんだよ、それ。変なの」
「当人たちにしか分からない、納得できないことなんていくらでもあるからな。そういう場があるなら……全部ぶつけたり吐き出したりした方がいいと、俺はそう思う」
「……そうかい」
「神妙だな、不安なのか?」
そんなわけない、と言いたかったのに言えなかった。その通りだと分かっていたから。
「……そうだよ、あたしは今、怖いんだ」
告白すると提督が椅子に座り直す。
「……情けねえこと言うぞ。こういうの、姉妹で本当にケンカするのって初めてなんだ」
「意外だな。珍しくないと思ってた」
「そう見えそうだよな。今までも怒られることはあったけど、自分に原因があるって分かってた。だからあたしなりに謝れたし反省だってできた。でも今回のは……なんか違うんだ」
「どう違うんだ?」
先を促す提督に、あたしの口は滑らかだった。
「あたしは鳥海が怒るようなことをしでかしたんだろうけど……それでも、あたしはあたしなりに間違ったことはしてなかったつもりだよ。全部否定されたくはないんだ」
そう、そうなんだ。あたしは鳥海に追いついて手を伸ばそうとしてた。それが間違いなんて思わないし言わせる気もない。
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