過去ログ - 摩耶「あたしの妹離れ」
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49: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/24(月) 09:58:49.83 ID:aYmvm1JN0



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神通の下した判定は雷撃命中によってあたしが大破で、鳥海が中破。

結果だけ見れば善戦……かもしれないけど完全にあたしの負けだった。

あたしの命中弾は偶然に近いものばかりで、本当に意図して当てられたのは減速後の一回だけだった。それも二度目からは完全に外れてる。

対する鳥海は中破判定を早々に受けたにも関わらず、あたしを着実に追い込んでいた。

だから結果に不満なんてない。

……ないと思ってるはずなのに、なんなんだ。このやり切れなさは。

悔しさとはちょっと違う不完全燃焼感。

まだ動けるのに終わってしまったせいなのか。

それは鳥海も同じだったらしい。

目が合ってそう感じて、後はどうしてそうなったのかはあたしには分からない。

ただ二人とも自然と両腕の主砲を外していた。

海面に落ちた主砲は艤装の影響下にあるから、しばらくは浮力を保ったままだ。

そして、これが沈む前にあたしたちの決着は着くはずだった。

さすがの神通もあたしたちの様子には驚いてるのが横目に見えた。

「鳥海、もう少しだけ付き合ってくれないか」

「もちろんいいよ、摩耶がそう望むなら――ううん、そうじゃない。私も続けたい、続けないとって思った」

ったく、この妹は変なとこがあたしに似てる。

あたしたちは――負けず嫌いだ。

手袋も外す。鳥海なんかわざわざ口で手袋を外すけど、様になってる。

そういや欧州だかの貴族は決闘前に左の手袋を投げつける流儀があるとかなんとか。

あたしたちには関係のない話だけど。

決闘はもうとっくに始まってるんだから。

間を置かず、あたしたちは本気で殴り合いを始めた。



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