52: ◆xedeaV4uNo[saga]
2015/08/24(月) 10:02:37.78 ID:aYmvm1JN0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
腹に響くような鈍い音が海上に何度も続く。
足元の海面は激突の度に波打ち波紋を広げている。
数分に渡る殴り合いをしてたけど決着はつかない。
殴られた場所が鈍い痛みになって、疲れが重たく体にのしかかってきてる。
それでもまだあたしも鳥海も引かないまま、がっつり四つに組んで額と額も何度かぶつけて押しつけ合う。
「十三万馬力なめんな!」
「こっちだって同じでしょ!」
「ぐぬぬ……!」
お互いに艤装の損傷判定は無視して、缶はさっきから全力で稼働している。
けど、あたしの体力が限界に近い。攻めあぐねてるように感じる鳥海もそれは同じはず。
「眼鏡……外せよ」
「嫌よ……お気に入りなのに!」
「壊したくないんだけどな!」
「……ありがとう」
いきなり鳥海の腕から力が抜ける。
すぐに前のめりになりそうになった体を引きつつ艤装が後進しようとするも鳥海は指を離さない。
手首を返して拘束を振り解いたところに鳥海の肘が顎を横から振り抜いていく。
ぎりぎりを掠めただけで、なんとか当たらずにすんだ。
一度距離を取って額に浮かんだ汗を拭う。
危ねえ……それに体力的にもしんどい。
けど鳥海も今のを外したのは予想外だったのか表情が曇ったのを見逃さなかった。
向こうも余裕がなくなってきてるってことなのか?
頭への攻撃は、勝負をつけるんなら多分それが一番手っ取り早い。
判断として正しいってわけだ。
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