過去ログ - (モバマスSS)「私のおとぎ話」
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4: ◆stww/BS79E[sage saga]
2015/08/09(日) 01:14:16.18 ID:im4Oexc40
2、アイドルの世界


部屋に入ると1人の男の人が待っていました。
人見知りな女の子は知らない人と話すことが大の苦手で…
男の人は優しい笑顔で迎えてくれているのにこわくなってしまい…

「…えっと…あ、あなたが…プ、プロデューサーさん……です…か? 私はアイドルとか…するつもりないのに…。
マ、ママが勝手に応募して……。知らない人に会うの…ムリなのに…。私……どうしたら……」

と、泣きそうになりながら伝えました。

男の人は、少し困ったような表情をして…
「ありゃりゃ…それは大変だ…僕は君みたいな可愛い子に出会えて嬉しいのに…」
と言いました。

その後に優しい眼差しで怖がらせないように…
「う〜む…困ったなぁ…どうしても難しい…のかな?」
と聞いてきいてきました。

女の子は、男の人があまりこわい人じゃないかもしれない…と思い、
「アイドルになるなんて…私はそんなつもりは全然なかったから…お家に帰りたいです…」
と素直に伝えました。

男の人は、完全に困った顔になってしまいました。
そして、少しだけ迷ったような表情をした後に…

「これは困った、迷い込んだのはシンデレラではなくドロシーちゃんだったか…」
と言ってきました。

女の子はシンデレラでもドロシーなんて名前ではありません。
その言葉の意味が分からずキョトンとしてしまいました。

そんな女の子の顔を見た男の人は少し恥ずかしそうに…

「あ〜…ごめんね。うちの事務所はアイドルのことをシンデレラガールって呼んだりするんだ。
あと、ちょっと前にオズの魔法使いを読んで、つい…ね」
と苦笑いをしながら話しかけてきました。

オズの魔法使い…ドロシーという女の子が竜巻で魔法の世界に飛ばされて…
その世界で友達を作って…元の世界に帰るおとぎ話…
女の子はその本を読んだことはあるので、少し言葉の意味が分かりました。

男の人は、言葉の意味が分かってもらえたようだと嬉しそうに笑った後、
少し真面目な顔になって話を再開しました。

「実はね…この面接は、アイドルになることが決まったと伝える場所なんだ…
だから…出来れば、君にはアイドルの世界を旅してもらいたい…」
と、女の子はもう引き返しにくい場所まで来ていたことを教えられました。

女の子は、その事実にまた悲しくなってしまいます…。
それを見た男の人は更に言葉を続けました。

「ただ、ダメならダメでもいいよ。君にはいつでも帰れるように銀の靴を授けよう。
でも…少しだけ、僕とこの世界を歩んでくれないかな?」

銀の靴…オズの魔法使いに出てくる魔法の靴で、合図を出せばいつでも好きな場所に行ける靴だ。
ダメなら帰ってもいいから、アイドルの世界に入ってみて…という言葉…

「実はね、僕は一緒にアイドルの世界を歩いてくれる人をずっと待っていたんだ…
だから、ちょっとだけでもいいから…少しの時間でもいいから…君と歩きたいんだ」
と少し寂しそうな顔で伝えてきました。

女の子は、いつでも帰ることが出来るなら…と男の人の言葉を信じることにしました。
その返事を聞いた男の人は満面の笑みで…

「ありがとう!そしてようこそ、アイドルの世界へ!素敵な時間を過ごせるように頑張るからね♪」

と、とても嬉しそうに言いました。

その笑顔が可愛くて、女の子も少し笑ってしまいました。



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