過去ログ - 北条加蓮「一番の宝物」 -SS速報VIP

過去ログ - 北条加蓮「一番の宝物」

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17:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:37:31.13 ID:ZDNFok4L0
後で全力で頭を下げたら、そういう真面目なとこは嫌いじゃないよ、と笑って許してくれた。
でもＰさんはアホだよね、とも言われたけど。

「……加蓮」
「ん？」

以下略

18:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:38:31.23 ID:ZDNFok4L0
進捗は順調、だったのだが。

「……いや、なんでもない」

収録を２日後に控えた日。オフだった筈の加蓮はいきなり事務所に乗り込んで、開口一番、車を出せ、と言い出した。

以下略

19:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:39:31.33 ID:ZDNFok4L0
何が何だか分からないが。
どうも、笑って済ませるようなことではないことらしい、ということが、雰囲気で分かった。

「終わってから、どこかで食べよ？」
「そうだな」

以下略

20:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:40:31.31 ID:ZDNFok4L0
「仲良くあの世に逝っちゃおう！」
「冗談でもやめろ。お前が言うと冗談に聞こえない」
「えー。もう、Ｐさんっていつまで経っても真面目なままだよね。もうちょっと楽に生きればいーのに」
「真面目なことだけが取り柄だからな。加蓮も俺を見習うといいぞ」
「Ｐさんを見習うとハゲそうでヤダ」

以下略

21:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:41:31.26 ID:ZDNFok4L0
「十円ハゲ見っけ」
「嘘だろ？　オイ嘘だろ！？　加蓮、いつもの冗談だよな？　今ならまだ間に合う。冗談だよな、冗談って言え！」
「お、凛からメール来てる」
「今それどうでもいいよな！？」

以下略

22:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:42:31.52 ID:ZDNFok4L0
「Ｐさん」
「……メールはいいのかよ」
「うん。だってあれ嘘だし」
「お前はまた……」

以下略

23:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:43:31.78 ID:ZDNFok4L0
「……じゃあさ。数年ぶりに会う友達だったら？　さすがに何か持っていくでしょ」
「そうだな……。やっぱ食い物だな。相手によるけど、どっかの土産物とか」
「やっぱり？」
「無難だろ」
「冒険とかしない？」

以下略

24:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:44:31.97 ID:ZDNFok4L0
「私、実は結構、臆病なんだ」
「急にどうした？」
「Ｐさんがいないと、緊張で歩けないかも」
「……そうか」

以下略

25:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:45:31.32 ID:ZDNFok4L0
「Ｐさん相変わらず過保護だ。うざーい」
「おう。俺はお前に何を言われても過保護でいるって決めたんだ」
「私の病気が完治しても？」
「その時は……その時だな」

以下略

26:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:46:31.32 ID:ZDNFok4L0
茶をがぶ飲みしてなんとか調子を整えたところで、加蓮が何してんのと尋ねてきたので、お前も飲むか？　とペットボトルを差し出してみた。
ちょっとだけ顔を赤くした加蓮は、いらないよ、とそっぽを向く。
勝った。
とニヤけた瞬間、奴は脇腹を突いて来た。痛い。地味に痛い。

以下略

27:名無しNIPPER[saga]
2015/08/09(日) 18:47:31.40 ID:ZDNFok4L0
やがて車は目的地へと到達した。静かに降りた加蓮は、大きく息を吸って、それ以上の二酸化炭素を吐くというとても器用なことをしていた。
続いて俺も降りて……ああなるほど。なんとなく、加蓮の気持ちも分かる。
そういえば俺はここに来たことがなかった。てっきり自分も足を運んだつもりになっていた。
加蓮が倒れた時は……加蓮の家に突撃しただけで、結局、ここには訪れていない。

以下略

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