過去ログ - 電「青い海とくっつきそうな空なのです!」
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1:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:17:42.94 ID:DdSwbmJ0O
私は海にうかんでいました。
ぬるくて、静かな海です。
まるで、死んでいるみたいに静かです。
私はなんだか、そこに居たくなくて、動かなきゃ、動かなきゃと体に力を入れます。
だけど、体は動きません。
いえ、手と頭は動きます。足だけが動きません。
なんでかなと足元を見ると、足のあるところだけが真っ黒なもやにつつまれていました。
その真っ黒なもやは私の体をたちまちに包み込んで

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2:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:18:11.30 ID:DdSwbmJ0O
ぱちりと目が開いて目がさめました。
私がいたのはぬるいお部屋のシーツの海でした。
汗がびっしょりで気持ちわるくて、吐きそうです。
ベッドの横にある小さな窓のカーテンのすき間からは、薄明かりが差し込んでいます。
カーテンを開いて、窓を開けると、さあっと静かな波の音と海風が部屋に入ってきました。
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:18:47.01 ID:DdSwbmJ0O
私は静かな海をすこしだけ楽しみました。
時間を見ますと、もうすぐ目覚まし時計がなりだす時間でした。
アラームを止めて、ベッドの近くに置いてある歩行器をたぐりよせます。
思うように動かない足を、歩行器でなんとか動かします。
洗面台の鏡の前にたち、棚に置かれているタオルを濡らして、タオル蒸し器に入れてスイッチを入れます。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:20:02.53 ID:DdSwbmJ0O
アフロヘアーと戦っていると、隣やお向かい、上下左右いろんなところから目覚まし時計のベルの音に「起床ーッ!」と叫び声が聞こえてきました。
そのうちに、タオル蒸し器のピーピーピー!という蒸しあがりの音も聞こえてきて、いっぺんに鳴る音の群れは音楽みたいになってきました。
朝の音楽を楽しみながら、蒸しタオルで体を拭いていきます。
最近は海にでていないので、お肌が真っ白です。
海にでていたころは、日焼けしてほんのりと赤くなっていたお肌が懐かしいのです。
以下略



5:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:20:40.96 ID:DdSwbmJ0O
体がさっぱりしたので、お着替えをします。
今日の服はどうしようかな。制服にしようかな、でも着るのは大変…そう思っていると、クローゼットに良いものがありました。
それは、真っ白なワンピースです。
加賀さんが仕立ててくれた真っ白なワンピースは、クローゼットの中で輝くようでした。
なんだか、嬉しくなってワンピースをぎゅっと抱きしめてしまいました。
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:21:26.20 ID:DdSwbmJ0O
お着替えをしたら、朝ごはんの時間になっていました。
食堂までは遠いので、部屋の片隅に畳んである車いすを組み立てます。
明石さんと夕張さんが造ってくれた車いすはとても軽くて、一人でも組み立てられます。
夕張さん曰く「チタンと超々ジュラルミンの芸術品」らしいです。
夏用の麻のリネン生地のカバーは明石さんが織り上げてくれたものです。
以下略



7:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:22:08.27 ID:DdSwbmJ0O
車いすに乗ると、ノックの音が聞こえてきました。
お部屋の引き戸を開けると暁ちゃんが扉の前にいます。
暁ちゃんは毎朝こうして、迎えにきてくれます。
お互いにおはようと挨拶をして、暁ちゃんは私の車いすを押して廊下をゆっくりと進んでいきます。
暁ちゃんと、なんとなしに世間話をしていきます。
以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:22:43.04 ID:DdSwbmJ0O
食堂に着くと、私たち二人以外に誰もいませんでした。
食堂のおば様に挨拶をして、朝ごはんをお願いします。
私はコッペパンとヨーグルト、ケールとバナナのスムージー。暁ちゃんはご飯と根深汁に卵焼きと焼き海苔です。
暁ちゃんはレディだけど和食派です。
二人でいただきますをして、スムージーを一口飲みますと、口の中にバナナの甘さとケールの苦味がひろがります。
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2015/08/09(日) 22:23:23.92 ID:DdSwbmJ0O
朝ごはんを食べ終わった後、私たちはお散歩に行くことにしました。
宿舎を出ようとすると、今日の宿舎番の不知火さんが私たちを呼び止めました。
「今日は日差しが強いから、これを被っていきなさい」と手渡されたのは麦わら帽子です。
不知火さんはとてもお優しい方です。お礼を言うと、少し照れてしまわれたのか少し乱暴に麦わら帽子をかぶせられちゃいました。
白いリボンの麦わら帽子は私、青いリボンのは暁ちゃんです。
以下略



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