過去ログ - ゆきあつ「め、めんま・・・?」2
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2:名無しNIPPER
2015/08/09(日) 23:50:04.98 ID:hvg7lG9h0
* * *
ああ、なんか、やられた。・・って感じだ。まるで挑戦状を叩きつけられた気分。
ゆきあつの奴は何か、汚いもの落とした感じにスッキリしていた。ああ、本当にめんまのこと好きなんだろうな。・・・イケメンかよ、ちくしょう。なんて思ってるけど俺は、悔しさよりも嬉しさのほうが大きくて、なんでだか駆け足気味になってしまう。ガキみてえ。このまま秘密基地までいっちまおうかな。こんな朝だけど、ぽっぽはいるだろ。
今まで俺を見下すように見ていたあの目が。今度は同等の立場に立って、真っ直ぐ前から俺を見てくれたんだ。幼かった頃のように。

角を曲がろうとすると、人影が現れてハッとする。やや走っていた俺はかかとで急ブレーキをかけた。……危機一髪!

「す、すみませ・・・」

ぶつからなくてよかった・・・と安心しながら、謝罪の句を述べて顔を上げた相手に、俺は言葉を呑んだ。・・・あなるだ。顔を上げたあなるとハッと目が合い、あなるがかあっと顔を赤くした。ツインテールに、いつものようにギャルい服装、バカ高いヒールなんて履いてる。・・・少し目元が赤い?あなるのほうも急いでいたようで、少し息が荒い。朝早くからなにを急いでんだか、こいつは。
「じ、宿海・・・っ!」
俺は知り合いだったことに、またも安堵して、はあーっと息を吐いた。

「なんだ・・・あなるかよ・・・」
「なっ・・・なんでこんなとこにっ!」
「はよ。何をそんな驚いてんだよ」
「お、おはよ…って何よ、驚いてないしっ!」
「あー、落ち着けって・・・
あ、お前、手伝ってくれるんだってな。めんまの。・・・鶴見から聞いた。・・・サンキュ」

するとあなるの奴はもとから赤かった顔をさらに赤くして、ぷいっとそっぽを向きながら言い放った。ツインテールが激しい動きに忠実についていくから面白い。

「っ・・!!べ、べつにあんたのためじゃ・・・っ!」
「どもりすぎだって。ハイハイ。ありがとな」

軽くあしらいつつ手を振り、去ろうとすると。あなるは意味ありげにぽつりと、呟いて。

「・・・・・・ホント、に」

それに俺は、足を止めた。

「?なんだよ・・・」

あなるは俯きがちに地面を見つめている。
『ホントに』・・・、その意味は、なんなのだろう?

「ねえ・・・宿・・・、ううん、・・・じんたん。」
「・・・なんだよ?」
「めんまと会えて嬉しい・・・?」
「・・・何言ってんだよ?」
「答えてよ・・・」

あなるの右手は、爪が食い込むんじゃないかと思うくらいに強く、ぎゅっと、左腕を握っていた。ああ、昔っからよくしてたな・・・。そのポーズ。
何か、自分の中でこらえれないものを我慢するかのような。居心地の悪い場所で自分を守る時のような・・・。

「めんまと会えて嬉しい?」




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