30: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:23:33.48 ID:s8phhYh5O
この春から高校へ進学した彼女は、幾分か、変化への期待があった。
新しい自分への、渇望があった。
しかし入学以来一箇月以上が経ち、それは幻想だったのだと思い始めている。
幼稚園から小学校、また小学校から中学校へ上がった際の、明らかな環境の変化と違い、
高校生になったからと云って、何かが劇的に変わるわけでは無かった。
強いて違いを挙げれば義務教育ではなくなったと云うことだが、そんなものは目に見えぬ立場の話でしかないし、
クラスを構成する人間が変わる――中学時代の友人の大半と離れることになったのは、まったく負の側面だ。
結局、学校生活だって、授業内容だって、日々通り過ぎていく日常は、何もかもが中学校の延長線上。
中間と期末の憂鬱な定期考査は容赦なくやってくる上、同年代の男子の幼稚さは相変わらず。
実際、男子の幼稚さは、彼女の澄ました美貌に気後れしてのことだったが、当の本人には判ろうはずがない。
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