過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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36: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:29:02.15 ID:s8phhYh5O
きちんと答えてくれるとは期待していなかったのだろうか、男は少しだけ目を丸くする。

「渋谷凛ちゃんか。素敵な名だ」

凛は、嬉しくも何とも無いと云う表情で紅茶をもう一口呷った。

「――で、そんな事務所の社長さんが、学校帰りに道草してる不良女子高生を掴まえてスカウトだって?」

先程、エスカレーター前で出会ってすぐ、アイドルにならないか、と単刀直入に云われたのだ。

頭上に疑問符を浮かべている凛を、あの手この手で云い包めて、ひとまずカフェの椅子へ坐らせた。

物腰は紳士的ながらも、その話術は、流石、芸能業界の関係者、と云うことか。

確かに、「スカウトしたい」と告げられて悪い気分にはならないが――


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