411: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:46:04.75 ID:s8phhYh5O
「――ダァーブルブッキングってどういうことにゃ! 今日のために色々用意してたんだにゃ!」
ひたすら陳謝する担当者と、妙な口調と猫のような仕種で食いかかる女の子。
「ゴメンで済んだら世の中ケーサツなんて要らないのにゃ! ファンのみんなに申し訳……って、ん?」
412: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:46:32.50 ID:s8phhYh5O
返答するのも忘れ、凛は隣へ囁くように訊く。
「……誰、あの妙な子」
「おそらく、猫キャラとして売り出しているアイドルは一人しか知らんから心当たりはあるが――」
413: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:47:00.36 ID:s8phhYh5O
「ちょうどいいにゃ。ここに予約が重複した当事者が揃ったなら、話も決めやすいってモンでしょ」
と猫もどきの女の子は一人で納得した風で、
「と云うわけで今日のところはみくに譲るにゃ」
414: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:48:22.08 ID:s8phhYh5O
お互いに譲らない抗争が勃発するかと思われたが、
「ま、そりゃそうだよね。みくだって同じこと云われたら困るモン」
意外にもみくはあっさり首肯した。
415: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:49:02.70 ID:s8phhYh5O
「そ。合同でライブするにゃ」
案の定、ニコイチにするという、誰にでも思いつきそうな内容。
凛もそれ以外の解決策を持ち合わせていないので同意しかける。
416: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:49:54.36 ID:s8phhYh5O
「……喧嘩を売られたら、買うしかないよね」
そう、みくの言葉の本質は、提案ではなく『宣戦布告』だった。
「最近この原宿界隈を荒らしてるってウワサの新人でしょ? 叩き潰しておかなきゃみくの名が廃るにゃ」
417: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:50:29.18 ID:s8phhYh5O
「ふん、なーんかいかにも優等生、ってカンジの答えにゃ」
みくが鼻を鳴らす。
「行こ、プロデューサー。準備しなきゃ」
418: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:51:48.78 ID:s8phhYh5O
凛とみく、期せずして実現したライブバトルに、双方の観客は熱狂した。
二人とも最大限の力を出し切り、フロアからの応援も完全燃焼の様相を見せた。
419: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:52:30.76 ID:s8phhYh5O
ダンスで乱れた長い髪が、汗に濡れた肌へ貼り付いている。
まず間違いなく不快な状態であろうに、彼女にはそれを気にかける余裕すらない。
みくが対照的に涼し気な仕種で感想を述べる。
420: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 05:52:59.99 ID:s8phhYh5O
みくがそう云うのも無理はない。本日のバトルは、ダブルスコア以上の大差をつけて、凛に圧勝したからだ。
みくは、パフォーマンスも、バックボーンも、そして惹き付ける話術も凛とはまるで違った。
年齢からは考えられないほどグラマラスなボディラインに、アダルティな持ち歌。
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