過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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434: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:04:28.34 ID:s8phhYh5O
それは一種の被害妄想に過ぎないのだが、凛自身にとっては深刻な問題である。

たとえ無理矢理に鼓舞しようとも、心の安寧を脅かす思考から離れることができない。

自らを磨く為でなく、ただ予定表に書かれているからレッスンをこなす。
以下略



435: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:04:58.96 ID:s8phhYh5O
再度ステージに立たせるべきか?

 ――トラウマが甦ったらどうする。

レッスンにとことん打ち込ませるべきか?
以下略



436: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:05:33.92 ID:s8phhYh5O
「休ませる、なのかなぁ……」

ここ最近のレッスン中に見せる凛の顔が、以前に比べて暗く疲れているように感じたから。

少し気分転換が必要だろうか。
以下略



437: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:06:17.44 ID:s8phhYh5O
「おう、お疲れ」

Pが手招きをすると、凛はきょとんとした顔でそばへ寄った。

「明日から少し休みをやるから、羽根を伸ばしてみたらどうだ?」
以下略



438: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:06:46.29 ID:s8phhYh5O
「それって、もう私なんて要らない、ってこと……?」

気が滅入っている状態では、どんな些細なことも悪い方向に考え、悪い方向に受け取ってしまうものだ。

さらにはタイミングの悪いことに、凛は今、月に一度のナーバスな時期だった。
以下略



439: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:07:40.12 ID:s8phhYh5O
「要らない、なんてそんなわけないだろ。上の空の状態でレッスンを何度やってもあまり吸収できないだろうし」

「上の空って何……私はきちんとレッスンしてるんだよ!?」

「それは充分判ってる。でもレッスンスタジオに“ただ居るだけ”じゃ仕方ないしな」
以下略



440: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:08:10.71 ID:s8phhYh5O
Pは、どうにも凛の様子がいつもよりおかしいことが気がかりだった。

意識して平静に諭す。

「違う違う。根を詰め過ぎだから、久しぶりに羽根を伸ばしたり、何か好きなことをやったりしてみろってだけ」
以下略



441: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:08:37.70 ID:s8phhYh5O
Pもそう云う過ごし方を念頭に、凛へ休息を薦めていた。

しかし、ここで一つミスを犯した。

これまで、凛の生活は空っぽに近かったのだ。
以下略



442: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:09:31.72 ID:s8phhYh5O
「だから結局、お荷物はしばらく大人しくしてろってことでしょ!?」

「おい、凛、俺はそんなこと云ってないだろ!」

不幸にも様々な要因が重なって気持ちを制御できなくなった凛に、とうとうPも声を大きくしてしまった。
以下略



443: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:10:01.32 ID:s8phhYh5O
たまの特訓指導以外は、いつも事務所で紙を眺めているだけ。――彼女はPの日常をそう認識していた。

知られなければ、存在しないと同義――

他ならぬP自身がそう云っていたのに。Pは自分で自分の足許を掬われた。
以下略



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