過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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448: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:13:37.19 ID:s8phhYh5O
凛は卯月と未央に「ゴメン」と手刀を切ったのち、明と慶を向いて、頭を下げた。

「昨日は、すみませんでした」

「もしや事故にでも遭ったか、って心配したけど、何もなかったならよかったです」
以下略



449: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:14:13.25 ID:s8phhYh5O
「ふふ、驚いたか? 昨夜、慶から相談されてな。少し様子を見に来ていたわけだ」

今しがた卯月と未央のレッスンを隣から見ていたよ、と笑って。

「渋谷君なら、きっとスタジオには顔を出すだろう――とな。予想的中だ」
以下略



450: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:14:40.15 ID:s8phhYh5O
「意見の相違なんてよくあるもんさ。それ自体は別に構わないが――レッスンの無断欠席は感心しないな」

急転、麗が重いオーラを発して戒めた。

凛は立ちすくみ、恐怖で全身に鳥肌が立つさまをはっきりと感じた。
以下略



451: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:15:21.19 ID:s8phhYh5O
それで充分と判断した麗は、再び笑った。

圧する空気は霧散し、心なしか部屋の電灯が明るくなったように思える。

「着替えてきます」
以下略



452: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:15:56.82 ID:s8phhYh5O
再びスタジオに、拍をカウントする明の声や、上履きと床の擦れるステップ音が響いた。

麗と凛は、しばらくその光景を眺め、やがて麗がおもむろに口を開く。

「妹たちから伝聞した限りでは、何やら色々とあったようだな」
以下略



453: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:16:31.88 ID:s8phhYh5O
「ライブでこてんぱんに負けて……なんか、レッスンしても無駄なんじゃないか、って思ってしまうんです」

どれだけ頑張って走り抜けても、凛がみくの位置へ辿り着いた時には、相手はそのさらに先へ行っている。

「プロデューサーには、お荷物だと思われてますし……なんだか、色々見えなくなってしまって」
以下略



454: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:17:01.36 ID:s8phhYh5O
「とにもかくにも、P殿と腹を割って話してみたらいい」

麗が、不安そうな凛の瞳を覗き込んで云う。

「アイドルとプロデューサーは共に歩んで行く同志、そして相棒。
以下略



455: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:17:34.62 ID:s8phhYh5O
「喧嘩になることの何が悪いんだい? 私もプロデューサーとはよく言い争ったもんさ」

「えっ、プロデューサー……と云うことは社長ですよね」

凛はぎょっとして、逸らしたばかりの麗の顔を視た。
以下略



456: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:18:23.33 ID:s8phhYh5O
しばらくして凛の方を向き、控えめに笑った。

「人間とは、得てして自分自身のことが一番判らないものさ。外側から見てくれる人こそが、的確に指摘できる」

「確かにそうかも知れませんが……プロデューサーはトレーナーさんのレポートを事務所で読んでいるだけです」
以下略



457: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:18:55.13 ID:s8phhYh5O
「えっ!?」

凛が飛び上がらむとするほどの勢いで驚いた。

案の定、彼女は見守るPの存在に全く気付いていなかったのだ。
以下略



458: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 06:19:25.59 ID:s8phhYh5O
そのまましばらく眼を閉じ――意を決したように麗を視た。

「麗さん、ありがとうございました。私、行かなきゃいけないところができました」

麗が相好を崩して大きく頷く。
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