46: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 00:35:20.93 ID:s8phhYh5O
その後、事務所へ戻る男と駅コンコースで別れ、彼とは反対方面へ向かうプラットホームで、独り言つ。
「アイドル……か……」
流れた言霊が、滑り込んで来た電車に、掻き消されてゆく。
正直、これまでアイドルと云うものにあまり興味を抱いていなかった。
いや、正確に云えば、自分には無縁の存在、別の世界のことだ、と思っていた。
女の子なら、一度くらいは憧れを持つ世界のはずだけど。
しかしそれは、自らの手の届かない場所に在るからこそ、羨望の対象になるのであって……
いざ実際に誘いを受けてみると、実感の全く無い、ひどく冷めた視線で自分自身を見ていることに気付く。
『私なんかが――』と。
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