495: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:11:02.82 ID:SScT0J3gO
そんな折、サマーライブフェスの委員会から最終段階の打ち合わせが入った。
このフェスを成功させることが、とにもかくにも凛を成長させることになる。
だから入念に準備して、やりすぎることはない。
496: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:11:36.55 ID:SScT0J3gO
「えっ、それはつまり……」
「はい、CGプロさんは現在三枠ご希望されてますが、それを一枠に収めて頂きたいのです」
申し訳ない、と云いながら頭を下げる姿を、Pは複雑な感情で見た。
497: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:12:07.15 ID:SScT0J3gO
「いや、さすがにそれは……」
Pは腕を組んで唸った。
ただ、これまでのやりとりで先方は、救いの手を出したPらCGプロに色々と心を砕いてくれた印象がある。
498: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:12:36.62 ID:SScT0J3gO
「うーん、どうしましょうかね。弱りましたね」
Pが書類に目を落として考え込む。
――代替手段や、ピンチをチャンスに活かす方策を練るのが俺の役目だろ、脳味噌を捻り回せ。
499: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:13:04.22 ID:SScT0J3gO
大きなイベントで注目度も高い。これはみくと一戦交える絶好の好機だ。
そして、みくに雪辱を果たしつつ、枠削減の要請にも応えられる妙案が浮かぶ。
「……わかりました、私どもへの割当は、一枠に減らして頂いて結構です」
500: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:13:32.35 ID:SScT0J3gO
「と、云うわけでさ――」
事務所へと戻ったPは、銅と鏷、そしてアイドル三人を集めて、展開の相談をしていた。
501: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:14:02.25 ID:SScT0J3gO
「ユニット化……って、今からやってどうにかなるのか? ピンで演るのとは勝手が全然違うだろ」
鏷がソファの背に身体を預けて問うた。
確かに、自らのことだけを考えればよい独り舞台と違い、ユニットとなると思考すべき事柄が飛躍的に増える。
502: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:15:02.23 ID:SScT0J3gO
「ま、確かに……クールビューティの凛ちゃん、元気が眩しい未央ちゃん、そして笑顔なら負けない卯月……」
お互いのいい部分を引き立て合うわね、と銅が考え込んでつぶやいた。
銅の云う通り、CGプロ初期メンバーの三人は奇跡的に重複する要素がないのだ。
503: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:16:01.48 ID:SScT0J3gO
「さしあたって、ユニットとして先方へ登録しなきゃいけないんだが――」
「ああ、なるほど。ユニット名とか諸々を決めなきゃいけないわけね」
察しの良い銅が、先回りしてPに答えた。
504: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:16:32.15 ID:SScT0J3gO
「別に優劣をつけるわけじゃないけど、卯月ちゃんは養成所からアイドルに触れてた一日の長があるからさ」
Pが、卯月のあたふたする様子を笑いながら「君が適任だよ」と云った。
卯月が、担当プロデューサー銅、そして凛と未央を順に見てから、再び銅の様子を窺う。
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