504: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:16:32.15 ID:SScT0J3gO
「別に優劣をつけるわけじゃないけど、卯月ちゃんは養成所からアイドルに触れてた一日の長があるからさ」
Pが、卯月のあたふたする様子を笑いながら「君が適任だよ」と云った。
卯月が、担当プロデューサー銅、そして凛と未央を順に見てから、再び銅の様子を窺う。
505: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:17:02.37 ID:SScT0J3gO
「私も、卯月がいいと思うな」
「私も私も〜〜!」
凛が卯月に優しい視線を向け、未央は右手を大きく挙げて同意した。
506: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:18:02.11 ID:SScT0J3gO
「よし、取りまとめ役はこれでOK、あとは……最も面倒そうな名前決めだ」
Pが書類に書き込みを入れてから、長丁場を覚悟するように、ソファへ深く坐り直した。
名称とは、そのユニットを的確に表わしていなければならない。
507: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:18:31.78 ID:SScT0J3gO
仕切り直しを咳払いをしてから、真面目な声音に戻る。
「このプロダクションで最初の三人、つまり先駆者だから『パイオニア』ってのを思いついたんだけどな」
「……カーナビとかオーディオ機器のメーカーか?」
508: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:19:06.73 ID:SScT0J3gO
がっくりと意気消沈するPの傍ら、アイドルたちは
「探査機ぃ〜〜?」
「ロケットで飛ばして宇宙を調べるやつだよ」
509: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:19:34.37 ID:SScT0J3gO
「ほらほら、おめーらも考えろ。自分らのユニット名だろーが」
徐々に脱線しそうな雰囲気を察知して、鏷が笑った。
はっと気付いた卯月が、失敗失敗、と小さく舌を出す。
510: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:20:11.60 ID:SScT0J3gO
凛が顎に手を添えて考え込んだ。
「確かにできたばかりのプロダクションだけど、社長は麗さんのプロデュースを手掛けていたんだから、
初心者……っていうイメージでもないよね、CGプロは」
511: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:20:42.61 ID:SScT0J3gO
「そっか……」
肩を落とす凛に、卯月が思案顔。
「じゃあ『受け継ぐ』って云う言葉をそのまま使ってみるのは? えーっと、英訳すればインヘリテッド……」
512: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:21:21.18 ID:SScT0J3gO
場にいる六人全員が黙り込む。
「……あの」
卯月が真剣な面持ちで話を切り出した。
513: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:22:22.56 ID:SScT0J3gO
男三人の会話を、卯月が「あの、Pさん」と遮った。
「おっとと、どうした卯月ちゃん」
「いま、Pさんの言葉でピンときました。世代、って」
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