507: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:18:31.78 ID:SScT0J3gO
仕切り直しを咳払いをしてから、真面目な声音に戻る。
「このプロダクションで最初の三人、つまり先駆者だから『パイオニア』ってのを思いついたんだけどな」
「……カーナビとかオーディオ機器のメーカーか?」
508: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:19:06.73 ID:SScT0J3gO
がっくりと意気消沈するPの傍ら、アイドルたちは
「探査機ぃ〜〜?」
「ロケットで飛ばして宇宙を調べるやつだよ」
509: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:19:34.37 ID:SScT0J3gO
「ほらほら、おめーらも考えろ。自分らのユニット名だろーが」
徐々に脱線しそうな雰囲気を察知して、鏷が笑った。
はっと気付いた卯月が、失敗失敗、と小さく舌を出す。
510: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:20:11.60 ID:SScT0J3gO
凛が顎に手を添えて考え込んだ。
「確かにできたばかりのプロダクションだけど、社長は麗さんのプロデュースを手掛けていたんだから、
初心者……っていうイメージでもないよね、CGプロは」
511: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:20:42.61 ID:SScT0J3gO
「そっか……」
肩を落とす凛に、卯月が思案顔。
「じゃあ『受け継ぐ』って云う言葉をそのまま使ってみるのは? えーっと、英訳すればインヘリテッド……」
512: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:21:21.18 ID:SScT0J3gO
場にいる六人全員が黙り込む。
「……あの」
卯月が真剣な面持ちで話を切り出した。
513: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:22:22.56 ID:SScT0J3gO
男三人の会話を、卯月が「あの、Pさん」と遮った。
「おっとと、どうした卯月ちゃん」
「いま、Pさんの言葉でピンときました。世代、って」
514: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:23:07.42 ID:SScT0J3gO
即座にプロデューサー陣が動く。
「ニュージェネレーション、芸能関係で聞いたことあるか?」
「いや、アタシはないわね」
515: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:23:36.84 ID:SScT0J3gO
慌ただしく動くプロデューサーらとは対照的に、凛、卯月、未央は目を瞬かせて坐ったままだ。
「なんか……こんなあっさり一気に決まっちゃっていいのかな……」
「まーいいっしょ〜〜! しぶりん、決まるときって案外こんなもんかもよ?」
516: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:24:32.35 ID:SScT0J3gO
――
ニュージェネレーションというユニットが固まって、先方事務局への連絡も済ませた。
517: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:25:01.98 ID:SScT0J3gO
ユニット化にあたって、これまで体力や身体能力に重点を置いた凛の育成方法を見直す必要があった。
歌も、踊りも、そしてビジュアルの魅せ方も、三人で改めて積み重ねなければならない。
ありがたいことに、麗の力添えによって、ベテラントレーナー青木聖の合流が叶った。
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