553: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:50:21.05 ID:SScT0J3gO
みくは、やや離れた小規模ステージから突如として流れてきた爆音にひるんだ。
自らの持ち歌を披露しながら、しかし心の中では「一体向こうでは何が起こっているのにゃ!」と動揺している。
554: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:51:02.10 ID:SScT0J3gO
案の定、そのノリの良い楽曲に、中規模ステージの近くにいた者たちがみな興味を惹かれたようだった。
――はじめまして! 私たち、ニュージェネレーションです!
三人の息の合った掛け声が、そして歌声が、湾岸スタジオの屋上に響いた。
555: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:51:59.29 ID:SScT0J3gO
ちょ、ちょっとみんな待つにゃ!
みくのそんな心の叫びは、彼女自身のプロ根性ゆえマイクには乗らない。
それが災いか、数分も経つ頃には、民族大移動が発生していた。
556: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:52:35.79 ID:SScT0J3gO
「きぃ〜〜ッ! ムカツクにゃ!」
まるで猫が「フシャー」と威嚇するのと同じように、みくはボルテージを上げた。
「こうなったら敵情視察にゃ!」
557: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:53:02.32 ID:SScT0J3gO
――ニュージェネレーションなんて聞いたこともないにゃ! こんな馬の骨、誰にゃ!
みくは人の波を掻き分けて、ステージを見渡せる位置へとつくことができた。
そこには、先月とは見違える姿となった、凛、卯月、未央。
558: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:53:35.87 ID:SScT0J3gO
ステージを演り終えたニュージェネレーションに、喝采が浴びせられる。
「こんなアイドルグループ知ってたか!?」
「いや、全然知らねえ! 見たことも聞いたこともなかったけど、こりゃすげえ発見かもな!」
559: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:55:31.04 ID:SScT0J3gO
夜、CGプロ事務所では、フェス期間中とはいえ大人だけのささやかな祝賀会が開かれていた。
初ライブで、予想を上回る動員を記録したことは、CGプロにとって大きく明るいニュースだった。
560: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:56:15.71 ID:SScT0J3gO
『この渋谷凛って子、すっげぇ可愛いんだけど!』
『まあ普通だな、ミキミキほどじゃない』
『ニュージェネレーション? 聞いたことねえな』
561: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:57:00.17 ID:SScT0J3gO
急遽、明日のステージ構成は小規模から中規模の方へ移されることになった。
バミのチェック等をしなければならないから、明日の会場入りは早朝。
ゆえに凛たちは早めに帰宅させてある。祝賀会が大人たちだけで行なわれている所以だ。
562: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:58:03.79 ID:SScT0J3gO
昨日よりも更に気温が上がる予報の中、ここお台場の湿度は幸いにも今日の方が低く、爽やかだ。
ただし太陽は朝っぱらからぎらぎらと本気を出しており、外に半刻も立っていたら確実に紫外線の餌食となろう。
563: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 16:58:40.21 ID:SScT0J3gO
銅や鏷も話題沸騰となったニュージェネの舞台を見たがっていたが、
生憎、新規に所属したアイドル、水本ゆかりや高森藍子たちの営業が重なってしまった。
「おいP! いいか、未央を重点的にビデオ撮っとけよ! アップでな! あと観客席の様子も忘れるな!」
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