567: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:01:11.12 ID:SScT0J3gO
その声にレジュメに目を通していたPたちが顔を挙げた。
「……私たちは負けないよ」
凛が眼光鋭く言い放つ。
568: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:01:48.38 ID:SScT0J3gO
中規模ステージは屋上の北端に築かれており、トラスなど覆う構造物がない。
そのため、客席から見ると、アイドルの背にフジツボテレビ本社ビルが控える。
569: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:11:40.94 ID:SScT0J3gO
まもなく、CGプロの演目が始まる。
昨日と同じく、五分前にPが「そろそろだ」と云って控室へ入ると。
昨日とは違う衣装を身につけた凛が立っていた。
570: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:12:17.28 ID:SScT0J3gO
改造の前と後では、醸し出す高級感に歴然とした差があった。
革のコルセットが追加され、スカートも五層構造へと大幅なボリュームアップを遂げた。
絞るように引き締めるウエストと膨れ上がるスカートの裾の対比で、凛の身体の魅力が遺憾なく発揮されている。
571: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:13:01.92 ID:SScT0J3gO
「とても綺麗だ。だけど、最終的に俺がゴーサインを出したとはいえ、熱中症には気をつけろよ」
このような黒づくめのドレスは、夏の日射しの中では非常に過酷と云える。
しかし、抜ける青空を背後にして立つと、くっきりと見せることができるのだ。
572: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:13:30.67 ID:SScT0J3gO
幸運にも昨日より長い時間を貰うことができたので、急遽ニュージェネとしてだけでなく、
凛、未央、卯月のソロでも舞台へ立つことにしたのだ。
凛は、その切り込み隊長の役割を負った。
573: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:14:33.91 ID:SScT0J3gO
みくもまた、本番が間近に迫り、控室に待機していた。
普段は柔らかい感じの服を着ているが、彼女のアイドル衣装は、逆にシャープな印象を与える。
574: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:15:26.82 ID:SScT0J3gO
そんな身だが、昨日は慢心が存在していたらしい。不覚をとってしまった。
今日こそ、いつも通り気張ってゆけば、問題ないはず。
シマへ乗り込んできた者に自分が負けるなんて、認めないし、あってはならないのだ、そんなことは。
575: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:16:01.97 ID:SScT0J3gO
「今度こそ負けないにゃ!」
鏡の前に立ち、ガラスの向こう側にある世界の中で立っている自分へ檄を飛ばした。
――出番OKです!
576: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 17:16:39.37 ID:SScT0J3gO
ステージへ飛び出た凛の目の前には、まさに人波が横たわっていた。
背の高さ様々な人々が、ざわめきを発しながらうごめき、それは波と形容するに相応しい。
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