613: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:12:03.14 ID:3+pD+bLQo
「あアァッ! なんで切るんだよ!」
「なにやってるのプロデューサー! 延々同じところを繰り返して、恥ずかしいってレベルじゃないでしょ!」
不意の切断にPが叫び、凛は顔を真っ赤に染めながら呆れる。
614: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:12:32.20 ID:3+pD+bLQo
凛自身、両親とともに初めてCMを見たときは、天にも昇る気持ちだった。
しかしそれで済めば可愛いものだったのだが、本日、クラスで散々弄られるハメになったのだ。
いくらインターネットが発達したとはいえ、お茶の間に流れるテレビは依然強い伝搬力を持っている。
615: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:13:01.86 ID:3+pD+bLQo
流石にこの事態に教諭陣は眉をひそめつつある。
凛の成績は上位を維持していたので現時点でお咎めは受けていないが、もし今後さらに露出が増えれば、
仕事も比例して増え、現在のままの学業を続けるのは難しくなるだろう。
616: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:13:31.52 ID:3+pD+bLQo
好奇の目に曝される凛を、それとなく護ってくれているのだ。
身近に理解者が居るというのは、とてもありがたいことだった。
「……そうか。また今度、何かお礼をしなきゃいけないな」
617: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:14:15.99 ID:3+pD+bLQo
――
11月28日。
618: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:14:43.20 ID:3+pD+bLQo
このままファンを堅実に獲得し、ライブ等で露出を増やしていけば来年度にはCランクも夢物語でもなさそうだ。
無論これは喜ぶべきことであるが――やはり『知られていない』と云うのは『存在しない』と同義なのだと。
改めて、Pはその教えを噛み締めている。
619: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:15:10.84 ID:3+pD+bLQo
更には、経営が軌道に乗り始めたせいか、根っからのスカウトマンである社長が本気を出し始めた。
街中でアンテナに引っ掛かる人を見つけたらとにかくアタックを試みる。
大抵は断られて終わりなのだが、百回・二百回と繰り返せば、足を止めてくれる人はそれなりにいる。
620: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:15:41.85 ID:3+pD+bLQo
「……社長、ちょーっと最近スカウトしすぎじゃないですかね」
人数が増えれば、それだけスタジオ待ちや仕事の時間調整で事務所に詰めるアイドルが多くなる。
そんなおしくらまんじゅう寸前状態のフロアを見ながら、Pは社長にぼそりと告げた。
621: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:16:08.22 ID:3+pD+bLQo
出家鵺との新規展開によって、更に仕事の幅やスケジュールの過密さが増えた。
十二月から一月にかけて、凛はじめニュージェネレーションの予定は、出席日数ぎりぎりの状態だ。
冬休みに入るからまだ首の皮一枚で綱渡りできていると云って過言ではない。
622: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:16:35.66 ID:3+pD+bLQo
――
港区は麻布十番。
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