過去ログ - 渋谷凛「私は――負けたくない」
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678: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:48:21.94 ID:3+pD+bLQo
今日の彼女は、午前中に軽いインタビューを受けてから、登校する手筈だ。

冬将軍が猛威を振るう中、目の前の女子高生は若さ故か、冷えた空気に生足を惜しげもなく曝していた。

上半身には厚手のコートを羽織っているので、若干ちぐはぐな印象を禁じ得ない。
以下略



679: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:48:52.20 ID:3+pD+bLQo
凛は越堀への転校を機に、笹塚の女子寮へと移ることになった。

その方が中野坂上への通学にも、麻布十番への通勤にも、労力を減らせるためだ。

なによりも年末の件で、自分の意思とは無関係に周りの人を巻き込んでしまうことを知った凛は、
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680: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:49:29.77 ID:3+pD+bLQo
だから、転校や引っ越しは、彼女の納得尽くではあるのだが。

それでも、凛はPの想像以上に、朗らかな笑みを絶やさない。

齢十六の少女がこのような状況に置かれ、ホームシックになったり、旧友を懐かしまないことなど有り得ようか。
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681: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:50:01.63 ID:3+pD+bLQo

「CDデビュー?」

制作部のデスクに詰めたプロデューサー三人が、ちひろから渡されたFAXを覗き込んで、表題を呟いた。

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682: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:50:32.10 ID:3+pD+bLQo
磐梯南無粉は傘下にランチスと云うレコード会社を抱えているが、そこを推してこなかったのは、
CGプロをリスペクトし独自性を保つよう心掛けている、とのメッセージだろう。

いづれにせよ、磐梯南無粉が紹介したのは、ツニーミュージックやワーニャーなどと並び、
最も有名な巨大レーベルのひとつだった。
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683: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:51:07.51 ID:3+pD+bLQo
ただし、その力関係を示すかの如く、先方から
『この子のCDを出したい』と云う要望とともにリストが添えられている。

第一課―クール―から第三課―パッション―まで、満遍なく挙げられているのは向こうなりの配慮だろうか。

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684: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:51:52.77 ID:3+pD+bLQo
「いやーこの度は早速ありがとうございます。岩原さんからの紹介でよかったです」

粕谷が社屋二階の応接室で、プロデューサー陣三人と握手を交わした。

「いえ、こちらこそジヤパン哥倫さんからソフト化のご提案を頂きまして光栄です」
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685: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:52:28.04 ID:3+pD+bLQo
「――とはいえ我々も既に765さんのアイドル展開をお手伝いさせてもらっていますし、
 その点に関しては他社よりノウハウがありますので、CGプロさんのお力になれると確信しています」

非常に心強い言葉だ。

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686: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:52:59.10 ID:3+pD+bLQo
「頂いた候補リストは既に拝見しました。ご存知とは思いますが、
 我々はクール・キュート・パッションと属性を三つに分けて展開しております」

「ええ、承知しています。その展開の妙や幅広さも気に入っていまして」

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687: ◆SHIBURINzgLf[saga]
2015/08/10(月) 20:53:32.62 ID:3+pD+bLQo

「CDデビュー!?」

本日の授業を終え、朝方ぶりに再度顔を合わせた凛が、Pの言葉に目を丸くした。

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